☾·̩͙⋆ ページ7
「あぁ驚いた。君も捕まっていたんだな」
「そうだよ。よく見たら、昼間来ていた旅人さんじゃないか」
スナフキンは微笑むと、しゃがみこんでうさぎの捕まっている檻をよくよく観察しました。鉄の棒の幅は狭く、南京錠がついた小さな扉がありました。うさぎはあんまり丸々としていたので、鍵を開けても出てこれないんじゃないかなとスナフキンは訝しみました。
「いいけれど、鍵がどこにあるのか知ってるかい」
「うん。ここさ」
うさぎが横に移動すると、もともといた場所にはちいさな金色の鍵がありました。大きなからだで隠していたようです。スナフキンは目を真ん丸にしました。
「本当に、ここの行商隊のひとたちは間抜けだなあ」
「少し前にボクのお世話係が落としていったのさ。あいつは鍵を失くしたことに気づいていたけど、きっと主人に怒られたくなくて秘密にしているのだな」
「ここの主人は怒ると怖いのかい？」
「知るかよ。怒られたことがないんだもの」
スナフキンはうさぎから鍵を受け取って南京錠を外してやりました。
うさぎが苦労して狭い扉から身体を押し出している間に、スナフキンは今度こそ毛玉の入った瓶を手に取りました。ふたりが話している間も、毛玉はずっと上下していました。スナフキンが瓶を抱えると、嬉しそうにくるくると回っています。
「こいつがケサランパサランじゃないって、主人は知っていたんだろうね」
「そうだね。ついでに、ボクは幸運を呼ぶ白兎でもない」
「え？」
うさぎは檻から脱出してスナフキンの足元に座っていました。檻に入っていた時は見えなかったふわふわの尻尾が、うさぎのものよりずーっと長いことに気が付きます。
「そうすると君はなに？」
「ボクはちょっと太りすぎた耳長ネズミさ」
「ネズミだって？ でも、ネズミのしっぽはそんなにふわふわしてないぜ」
スナフキンが言うと、ネズミが激しく尻尾を振りました。尻尾からとれたふわふわの“ワタ”が幌馬車の中で舞い踊ります。
「お粗末だなあ。じきにバレるじゃないか」
「バレたっていいんだよ。ボクを買ったひとが気づくころには、この行商隊はずっと遠くに移動してるはずだったんだもの」
ネズミは気持ちよさそうに伸びをしました。
「はーあ、それにしても窮屈だった！」
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雪野(プロフ) - ありがとうございます！投稿したら報告しますので機会があれば見ていただけると嬉しいです(●´ϖ`●) (2月6日 17時) (
レス) @page2 id: bc308af5a3 (このIDを非表示/違反報告)
匿名さん - (続き) 作者の名前とタイトルを記載していただければ、煮るなり焼くなりお好きになさってください。(僕も趣味の範疇&気の向いた時の更新ですので、雪野さんも描きたくなったらお好きなところだけ……が自然だと僕も思います！笑) (1月23日 2時) (レス) id: 3945cd8343 (このIDを非表示/違反報告)
匿名さん - 雪野さん» コメントありがとうございます！お返事が遅くなってしまって申し訳ありません。まだお気持ちに変わりなく、僕の拙い夢小説にそのような素敵なファンアートをつくってくださるのなら、僕はとても嬉しいです。 (1月23日 2時) (レス) id: 3945cd8343 (このIDを非表示/違反報告)
雪野(プロフ) - とっても好きすぎます… このストーリーを丸々そのまま漫画にしてpixivに上げたいのですが良いでしょうか？ 趣味の範疇なので途中までかもしれませんが... (1月12日 16時) (レス) id: bc308af5a3 (このIDを非表示/違反報告)
匿名さん(プロフ) - marimo03250226さん» コメントありがとうございます！夢主だけじゃなく雰囲気もふわふわさせていけたらなと書いています(*´`*)笑 応援とっても嬉しいです！のんびりお付き合いくださると幸いです (11月28日 23時) (レス) id: 3945cd8343 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：匿名さん(情緒不安定) | 作成日時：2023年1月30日 2時
