城郭の中へ ページ11
次の日から、スナフキンは再び城壁に囲まれた国を目ざして歩き始めました。
毛玉はといえば、歩くスナフキンの帽子の上で気ままに眠っていたり、リュックの中に潜っていたり、かと思えば風に乗ってどこかに飛んでいき、また気づけば顔の隣に浮かんでいる、と自由気ままに過ごしているようでした。
スナフキンはそんな毛玉の過ごし方を好ましく思い、毛玉が起きて辺りを漂っている時は気まぐれに食料を分け与えてやるのでした。また毛玉もスナフキンに懐いている様子を見せ、食料を口に放ってもらうと、お礼をするようにスナフキンの手のひらをふわふわとくすぐるのでした。
そんな風に、スナフキンと毛玉の奇妙な二人旅は穏やかに続いていました。デブネズミのダイコクは、毛玉が本当にケサランパサランかもしれないと最後に言っていましたが、特別スナフキンに幸運が降り注ぐことはありませんでした。強いて言えば雨は一度も降りませんでしたが、スナフキンは雨の日も好きですから、これも幸運とは言えません。よく晴れた日の星空はとっても綺麗でしたけれどね。
さて、歩き始めてから6日目を迎えた朝にようやく、スナフキンと毛玉は城壁の国へと辿り着きました。
手持ちのコーヒーがちょうど切れた頃でしたから、中に入ったらどこか売っている場所を探そうと頭の片隅でぼんやり考えながら、スナフキンは天を衝く城壁を見上げました。灰色の石レンガでできたその壁は分厚く頑丈で、外からの干渉を拒んでいるように見えます。何が入っているか分からないびっくり箱を前にした時のように、スナフキンの胸は期待に満ちていました。
「あ、」
その時です。あたり一面の草をざあざあと鳴らすほど強い風がスナフキンたちを襲いました。スナフキンは咄嗟に帽子を押さえましたが、運悪く帽子の上で居眠りしていた毛玉は紙飛行機のように一直線に飛ばされていってしまいました。
スナフキンはしばらく毛玉の消えていった方向を見やっていましたが、やがて一つ息をつくと城壁の門へと歩き出しました。これが別れならば少し味気ないですが、それもまた二人の旅の終わりのひとつの形なのだとスナフキンは思ったのでした。
とはいえ毛玉がいなくなる度にそう思って、その度に帰ってくるものですから、二人旅はまだ終わらないのだろうという予感も少ししていたのですけどね。
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雪野(プロフ) - ありがとうございます！投稿したら報告しますので機会があれば見ていただけると嬉しいです(●´ϖ`●) (2月6日 17時) (
レス) @page2 id: bc308af5a3 (このIDを非表示/違反報告)
匿名さん - (続き) 作者の名前とタイトルを記載していただければ、煮るなり焼くなりお好きになさってください。(僕も趣味の範疇&気の向いた時の更新ですので、雪野さんも描きたくなったらお好きなところだけ……が自然だと僕も思います！笑) (1月23日 2時) (レス) id: 3945cd8343 (このIDを非表示/違反報告)
匿名さん - 雪野さん» コメントありがとうございます！お返事が遅くなってしまって申し訳ありません。まだお気持ちに変わりなく、僕の拙い夢小説にそのような素敵なファンアートをつくってくださるのなら、僕はとても嬉しいです。 (1月23日 2時) (レス) id: 3945cd8343 (このIDを非表示/違反報告)
雪野(プロフ) - とっても好きすぎます… このストーリーを丸々そのまま漫画にしてpixivに上げたいのですが良いでしょうか？ 趣味の範疇なので途中までかもしれませんが... (1月12日 16時) (レス) id: bc308af5a3 (このIDを非表示/違反報告)
匿名さん(プロフ) - marimo03250226さん» コメントありがとうございます！夢主だけじゃなく雰囲気もふわふわさせていけたらなと書いています(*´`*)笑 応援とっても嬉しいです！のんびりお付き合いくださると幸いです (11月28日 23時) (レス) id: 3945cd8343 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：匿名さん(情緒不安定) | 作成日時：2023年1月30日 2時
