【不機嫌なモノノケ庵】もう一人の奉公人は四神使い

十ノ怪−威光−(弐) ページ36

−Kamiyama side−



もう、芦屋くんどこいったの！？




全然いないんだけど！？




あ、いた！




って、なにあのカピバラ！




ﾊﾞｷｯ




え？




芦「モジャ！」




モジャってあのモジャモジャ？




あのこ怪我してる？




そうか、さっきので･･･！




「芦屋くん！」




芦「神山さん！」




カピバラ「あ？お前もこのコソ泥の仲間か？」




芦「神山さんは関係ない！」




え、今どういう状況？



「えーっと、芦屋くんなにか盗んだの？」




芦「盗んでません！！それよりモジャが･･･！」




そうだった！




こんなことしてる場合じゃない！




「雪菜」




雪「お嬢どうしたの？」




「この子怪我してるの。応急処置でいいか治してあげて」




雪「はーい」




ｽｰｯ




ｿﾞｸｯ




え？




なに･･･これ･･･




芦屋くん？




あの光･･･！




芦「オレ、あんたが怒る気持ちはわかるよ」




カピバラ「！？」




芦「店の売り物を盗まれて悔しいのはわかる。どんな理由があったって木の実を盗んだ犯人が悪いと思うし犯人を捕まえて懲らしめたいのもわかる」




ｶﾞｸｯ




カピバラが地面に膝をつく




芦「でもさ」




芦「人の話に耳を貸さず自分の言い分はぶつけて、刃物まで振り回して脅かして鬱憤晴らしに暴れて他人を傷つけて、それは間違いだってあんたわからなかった？」




なに、この空気




「芦屋く･･･」




ｺﾞｯ




芦「いいいったあああああ！」




び、びん！？




瓶が飛んできた方向を見ると･･･




「あ･･･」




安「あーしーやーくーん」




シズクと激おこのイツキがいた




安「お前？勝手に店を抜けて？ここで？一体？何を？してるんだ？」




うわ、めっちゃ怒ってる




安「あ"ぁぁ！？俺が笑顔で迎えに来ると思ったのか！？幼稚園児！！俺は保育士じゃねぇんだよ！」




「ちょ、ちょっとイツキ落ち着いて！」




芦「安倍さん待って！話を聞いてください！」




シ「イツキ！冷静になるんじゃ！物怪庵の主がこんな往来で喧嘩したらダメじゃろ！」

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