少女の存在証明11 ページ31
胡蝶の夢。世界が私を蝕むのか、私が世界を蝕むのか。どっちだとか正直どうでもいい。
『(………イヤな夢見た)』
私は過去にうなされる。今日もまた、自分の過去に囚われ、うなされた。私に夢見のいい日なんて殆ど存在しない。
『困った話だよね……忘れられないというのも』
人間は忘れる生き物だという。そして、人が人を忘れるときはまず声を、次に顔を、最後に思い出を忘れると云う。昔、誰かから聞いた話だ。
『……忘れられたらどれほど幸せなのだろうか』
私の家系には、とある特徴があるという。徳田家には代々、記憶力が他人よりも優れた人間が生まれるのだと父が言っていた。そして、その中でも特に優れた力を持つ者、それが私らしい。私としては、迷惑なことだと思う。それのせいで私は苦しんでいるのだから。一生背負わないといけない十字架だってわかってる。それでも……
＿＿「貴方は結局ニセモノなの」
＿＿「なんであんたが生きてんのよ!」
＿＿「……人殺し」
『うっ………ああっ……』
辛くて辛くて仕方ないのだ。今までのことを全て
『ごめん……な、さ……い……』
頭が痛い。涙がポロポロと溢れてきて止まらない。呼吸が上手くできない。早くおさまってくれないだろうか。キュラソーさんに余計な心配をかけさせたくないから。そう思っても、逆にどんどん苦しくなってくる。
＿＿＿嗚呼、神様。この痛みは、この苦しさは…
私が
視界も霞みはじめた。こうなったときはどうすればよかったっけ?
『苦……し…』
もう駄目かもしれない。そう思った瞬間だった。
？「大丈夫か?………A」
目の前には片目を隠した金髪の男がいた。何時の間にかいる場所も私の部屋ではなく、どこまでも真っ白な空間にいた。
『錦さ………ん』
？「この空間には他に誰もいないから、態々偽名で呼ばなくていい。」
『……わかった。じゃあ、お父さん。』
錦都人(ﾆｼｷﾐﾔﾄ)いや、私の父である徳田末雄は、嬉しそうに微笑んだ。
徳「相変わらず大変そうだな。」
『仕事は?』
徳「Aの体調を気にかけるのも、僕……いや、俺等の大切な仕事のうちだ。」
『そっか……そうだよね。お父さんは…公安警察官だもんね。』
監視する側とされる側。それが私と父の歪な関係だった。
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イアデビル(プロフ) - めっちゃ面白いです更新待ってます頑張ってください！！ (2020年4月20日 14時) (
レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
月兎(プロフ) - 雨咲 水葉さん» わわっ!マジですか……急いで書いたからかなぁ……すぐ訂正しますね! (2019年8月16日 0時) (レス) id: 45fce474d9 (このIDを非表示/違反報告)
雨咲 水葉(プロフ) - 突然すみません、最新話の最後のあたりの誤字に気になってしまって....。その辺り、夢主男装してるはずなのに記載されているものは女装になってしまってますよ。 (2019年8月16日 0時) (レス) id: c9fa56c96c (このIDを非表示/違反報告)
月兎(プロフ) - 真昼ノ夜さん» はわわっ!ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです。期待にそえるよう、これからも精進していきます! (2019年6月11日 19時) (レス) id: 45fce474d9 (このIDを非表示/違反報告)
真昼ノ夜 - この小説めちゃくちゃ大好きです！ヘ(≧▽≦ヘ)♪これからも応援してます！！ (2019年6月11日 18時) (レス) id: 15eeb3cf2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月兎 | 作成日時：2019年5月19日 17時
