存在証明、その間。安室side5 ページ30
「家の住所を教えてもらっても?」
『米花町＿＿の＿＿＿＿です。』
「わかりました」
エンジンをかけて言われた場所へと向かう。その間彼女は窓の外の景色を眺めていた。何度か声をかけようとしたが、どうも彼女が纏う雰囲気で話しかけるのを躊躇ってしまう。触れたら壊れてしまいそうなそんな雰囲気だった。
『ねぇ、安室さん』
「なんですか?」
『私、夜景が好きなんです。』
ひとりごとのようにぽつぽつと彼女は話し出した。
『まだ母が生きていた頃、いいものを見せてあげると言われて見せてくれたのが横浜の夜景でした。』
初耳の話だった。彼女の目は、今ではなく、遠い昔を思い出し、懐かしんでいるように見えた。
『すごくキレイでしょって、子供みたいに母は笑うんです。父も行方不明になる前、同じように夜景を見せてくれたんです。』
……初めて見たかもしれない。どこか達観したかのような笑みでもなく、
「僕も好きですよ夜景。」
だから思わず答えてしまった。安室透としての感性ではなく、降谷零の感性で。
「あまり変わりはしないけど、それこそが、今日一日を皆が平穏に過ごせたという証明みたいで。」
『そうですか』
彼女の目線は外の夜景を見たままではあったけど声は少し嬉しそうだった。
『いつか、安室さんに見せてあげたいです。私の好きな夜景。』
「そうですね。そのときはお願いします＿＿っと、着きましたよAさん。」
彼女は車から降りるとこちらの方にくるりと向いた。
『態々ありがとうございました。それじゃあ、おやすみなさい。』
「えぇ、おやすみなさい。」
そう言って車でまた、別の場所へと向かう。生憎、今日はまだやることがあった。車を走らせ、少し寂れた倉庫の前に車を停める。その倉庫の前にはベルモットが立っていた。
ベ「遅かったわね。バーボン」
「しょうがないじゃないですか。蘭さんの御友人を家まで送り届けていたんですから。」
ベ「あらそう」
「それよりも早く行きましょう。これ以上遅れると、ジンに目をつけられてしまいそうだ。」
ベ「それもそうね」
そうやってベルモットを車に乗せる。夜の闇は、どこまでも暗く、深い。まるで今の
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イアデビル(プロフ) - めっちゃ面白いです更新待ってます頑張ってください！！ (2020年4月20日 14時) (
レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
月兎(プロフ) - 雨咲 水葉さん» わわっ!マジですか……急いで書いたからかなぁ……すぐ訂正しますね! (2019年8月16日 0時) (レス) id: 45fce474d9 (このIDを非表示/違反報告)
雨咲 水葉(プロフ) - 突然すみません、最新話の最後のあたりの誤字に気になってしまって....。その辺り、夢主男装してるはずなのに記載されているものは女装になってしまってますよ。 (2019年8月16日 0時) (レス) id: c9fa56c96c (このIDを非表示/違反報告)
月兎(プロフ) - 真昼ノ夜さん» はわわっ!ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです。期待にそえるよう、これからも精進していきます! (2019年6月11日 19時) (レス) id: 45fce474d9 (このIDを非表示/違反報告)
真昼ノ夜 - この小説めちゃくちゃ大好きです！ヘ(≧▽≦ヘ)♪これからも応援してます！！ (2019年6月11日 18時) (レス) id: 15eeb3cf2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月兎 | 作成日時：2019年5月19日 17時
