検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:2,139 hit

「消えてしまいたい・・・」 ページ4

「ご利用ありがとうございます。弊社は恋人代行サービスを行なっております。
 両親にどうしても恋人を紹介しなくてはならない。
 友人カップルで遊園地にいかなくてはならない。
 彼氏彼女のように楽しい時間を過ごしたい。そんなお悩みを代行しておりまして____ 」
 
 
「ちょっ、ちょっっと待って!」
 

 
俺が依頼した会社はかなりしっかりしたところのようで、
 
依頼して金を払えばなんでもできるわけでもないらしい。
 
細かい規律や料金プラン等で、働く側の安全も確保されているっぽい。
 
今日は契約内容の確認及び顔合わせで・・・

 
・・・いや、そうじゃなくて。
 
 
久しぶりの再会にしては淡泊すぎて焦ってしまった。
 
「久しぶりの再会」なんてロマンチックな言い方をしてみたが、ただの元クラスメートだった。
 
数年ぶりに見た同級生は、とんでもない美人に成長していた。
 
髪型や恰好を見る限り全くの別人に見えるけれど、顔を見ると確かに彼女だ。間違いない。
 
 
 
「なんでこんなところで働いてるの・・・?」
 
「えっと・・・、給料がいいから、かな」
 
「へ、へぇ・・・」
 
 
最高に気まずい。
 
彼女にとって俺はただのクラスメートで、あの約束なんて覚えているはずもない。
 
覚えていたら、彼女の方も気まずいだろうに。俺だけ焦っている。
 

 
「伊東くんこそ、なんで依頼してきたの?」
 
「ア、あの、 ・・・・・・親に紹介したいんだけど、彼女できたことなくて・・・」
 
 
 
消えたい。消えてしまいたい。たぶん頭から煙出てる。恥ずかしい。
 
中学生の時、君を助けた王子様(仮)が今、このザマです。
 
 
 
「設定とかってどうします?」
 
「は?」
 
「いや、ご両親に紹介する時に出会ったきっかけとか聞かれるかもしれないじゃないですか」
 
「あ、あ、えっと、普通に、中学校の時のクラスメートだったって事でいいと思い、ます」
 
 
事務的な対応で若干寂しい。
 
まさか元クラスメートとこんな奇妙な関係になるなんて思ってなかった。
 
しかもよくよく聞けば、どうやら三か月契約のようで、一日だけ、というわけにはいかないらしい。
 
3ヶ月よろしくお願いします、と頭を下げて今日は解散した。


 
 
 

 
「伊東くん、ずっと会いたかった」
 
帰り際のその言葉に少しときめいてしまったのは、秘密。
 
 
 

「結構、楽しみだ」→←「ご指名です!」



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
32人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

月乃 雫(プロフ) - めしださん» ありがとうございます!頑張ります! (2018年1月13日 17時) (レス) id: 1a27c96d26 (このIDを非表示/違反報告)
めしだ - とても面白く読まさせてもらいました!!高評価押したいくらいです!!これからも楽しみにしていますので、頑張ってください♪ (2018年1月13日 15時) (レス) id: 824ec6dddf (このIDを非表示/違反報告)
月乃 雫(プロフ) - 雪乃 空さん» ありがとうございます!頑張ります! (2018年1月12日 20時) (レス) id: 1a27c96d26 (このIDを非表示/違反報告)
雪乃 空(プロフ) - 新作おめでとうございます!!とても面白そうです。更新が楽しみで仕方ありません。頑張って下さい! (2018年1月12日 20時) (レス) id: ff045771c2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者ホームページ:なし  作成日時:2018年1月12日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。