【SAO】もう1人のビーター〜希望と絶望のシンフォニー〜

フレンド登録 ページ14

『クライン……！』


「何だ？」




『あ、あの！ フレンド登録……しませんか』









彼なら大丈夫だ。きっと私を受け止めてくれる。どうせ命を落とすなら、彼みたいに優しい人のためが良い。









そう思った私は、フレンド登録しないかと提案することにした。









「フレンド……登録？」




『うん！ あ、嫌だったら、イイんだけど……』









こういう会話が苦手な訳ではないのに緊張してしまい、どうしても消極的になってしまう。









「ルーリアみたいな可愛い子に言われて、嫌な訳ねーだろっ!!」









どうやら消極的になっただけ無駄らしく、クラインはニカッと笑うと、ガシガシと私の頭を撫でてきた。









『ちょ、やめっ！ ……もう！ 私からフレンド申請しとくかんね!!』









恥ずかしくなった私は、ボサボサの髪を整えながら目線を下にずらした。









そして、クラインとのフレンド登録が完了したのを確認すると、元来た道を引き返した。








「お、おい！もう帰るのか？ 狩ってかなくて良いのかよ！」









後ろの方で、俺たちならもう退くぞーという声が聞こえたが、あえてスルー。









さようならの意を込めて、歩きながら振り返らずに右手を挙げた。









ーーーーーーーーーーーーーー
新着メッセージが1件あります
ーーーーーーーーーーーーーー









ヤバイ私カッコイイとか地味に思っていた私の目の前にメッセージが現れる。









誰からだろうと開くとそれはクラインからで、一言









頑張ろうな









と書かれていた。









『ふふっ。当たり前でしょ……これだけは誰にも譲れない。このゲームをクリアするのは私よ』









私は、どこからか湧いてくる妙な自信に胸を高鳴らせた。

βテスト出身者→←背負うということ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す