60話 ［花と紅葉、雪と金色］ ページ19
ある日の昼休み。
今日の書類整理も終えた私は、インターネットを使って、世界のオカルト話を調べていた。
『うぅーん……これは全く怖くないし……これは絶対嘘……』
いまいちピンとくるものが無かったので、私はパソコンの電源を落とし、大きく伸びをした。
国木田さんを見ると、昼休みにも関わらずせっせと仕事をしている。
今日は、鏡花ちゃんの初仕事だったはずだ。御使いという簡単な仕事だが、大丈夫だろうか。
『……太宰さん』
「なんだい？」
『今日は、川に行かなくて良いんですか？』
「行ってほしい？」
『いえ、別に……』
珍しく太宰さんが席に着いている。仕事をしている訳ではないが、大人しくしているだけで有り難い。
その証拠に、今日は心なしか国木田さんの表情が明るい。
────と、思った瞬間。パソコンを見ていた国木田さんの眉間に深い皺が寄った。
「A、賢治。一寸出るぞ。付いてこい」
『え、どうして……』
「緊急事態だ」
国木田さんの言葉に、探偵社の空気が凍りついた。
『緊急事態って』
「鏡花の携帯に着信が入った。早く行くぞ」
つかつかと出て行く国木田さんに、賢治君は黙って付いて行った。私もその後を慌て追う。
そのまま国木田さんの運転に揺られ、私達は敦君と鏡花ちゃんの元へ向かった。
道中は誰も喋らなかった。
「此処だ。走るぞ！」
『……賢治君、あれ。』
「……？ ああ、わかりました！ 一寸お借りしましょう！」
私の言葉に、賢治君はニコニコと笑う。
そして、傍にあった黒塗りの車を持ち上げた。
「頭、下げてくださーい」
『敦君！』
「おー。飛んだ飛んだ」
「大丈夫か敦」
すっかり衣服を血に染め上げた敦君が、目を瞬かせ乍らこちらを見ている。まあ、仕方の無いことだけど。
それより鏡花ちゃんは……
「探偵社の毒虫め……鏡花にこれ以上、毒の光を見せるな！」
……姐さんの指示で、黒服さん達がこちらに銃を向ける。
「組織同士の全面戦争と云う訳か。この忙しい時に」
その時、聞こえるべきではないイレギュラーな声が、私達の耳に届いた。
「ワァ、タイミング最高。
衝突一秒前って感じだ。あと少し遅く来れば楽できたのに。君やる？」
「構わないが……大勢からの注目が……痒い」
「仕方ない。【組合】の給料分は仕事しますか」
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匿名 - １と２どちらもいいとは思いますが出来たら黒の時代の途中に入れて貰えたらとても嬉しいです！でも、一番は作者さんが無理せずに更新して下さるのが一番いいです！ (2020年7月12日 22時) (
レス) id: 469b1b59df (このIDを非表示/違反報告)
雪月(プロフ) - 読ませていただきました！更新頑張ってくださいね！待ってます(*´ω`*) (2020年7月10日 19時) (レス) id: f9f48108ec (このIDを非表示/違反報告)
over the rain - 2が見たいです！！楽しみにしてます！ (2020年7月9日 7時) (レス) id: a4bab14be1 (このIDを非表示/違反報告)
かりんとう(プロフ) - すごく面白いです！！更新まってます、！ (2019年10月14日 10時) (レス) id: f31ecb66db (このIDを非表示/違反報告)
こおりざとう(プロフ) - 姉系チートさん» コメント、ご意見ありがとうございます！占ツク会1位を争うくらいの更新の遅さですが、これからもよろしくお願いします！！ (2019年2月7日 0時) (レス) id: f96c6ac768 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こおりざとう | 作成日時：2016年10月9日 22時
