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実に面白い。 ページ9

〖太宰side〗

別室へと行ったナオミちゃんとAちゃんを見届けると、国木田君は無言で席に着いた。


「……ねえ国木田君、」


「なんだ。ジサツ志願者からの依頼なんか来てないぞ。」


「そっかー、それは残念だなァ……って違う違う。」



国木田君に聞きたいことが有るのだけれど。

私がこう云うと、国木田君は文字盤(キーボード)を打つ手を止めず、視線だけをこちらへ向けた。



「これは国木田君にしか聞けない事なのだよ。」


「良いから早く云え。この後の予定が詰まっている。」


「では早速。

────国木田君は、Aちゃんの事、どう思った?」






ピタリ

国木田君の手が止まった。そして、作成していた報告書を保存すると、静かにパソコンを閉じた。


くるりと椅子を回転させ、私と向き合う形になる。




何故、そんな事を聞く。

国木田君の目がそう語っていた。





「云っただろう? これは国木田君にしか聞けない事だと。

────元教師の国木田君には、Aちゃんはどんな風に映るんだい?」


「……所詮は元教師の云うことだ。あまり信用するな。

俺には、黒く渦巻く何かが見えた。想像もつかんし、簡単にも理解出来ん。
ああいう人間(タイプ)は、1人で生命を散らしていく。

実際俺も、目の前で散っていく生命を見たことがある。

そういう生徒をどうやって救うかは、教師たちの一生の課題だ。」




ーー今でも時折、救えなかった生徒達(あいつら)の事を思い出すと頭が痛くなる。


ここまで云うと国木田君は、にが虫を噛み潰したような顔をした。




それにしても流石は国木田君だ。

私とは全く異質な考えを持っている。実に面白い。







「それでは本題に入るね。」


「何!? 先程のが本題ではなかったのか!」


「うん。さっきのはほんの戯れ言さ。」





ニコリと笑ってみせると、国木田君はあからさまに溜め息を吐く。


一寸傷ついた。




「で、本題とはなんだ。」


「またまたぁー。国木田君ならもう判っているだろう?」


「溜まった書類の事か? だったら……」


「ごめん嘘冗談だから!!!」


「全く……早く云え。」


「いや、実はね。









彼女を探偵社に招待しようと思うのだよ。」









国木田君は、先程とは比べ物にならない位の深い溜め息を吐いた。

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こおりざとう(プロフ) - みるくてぃーさん» 確かにそちらの方が、後味も悪くなく(?)良い気がしますね…!次からは、もう少し幸せな終わり方を目指してみます。ありがとうございました。更新頑張ります! (2016年11月2日 21時) (レス) id: fb35e39608 (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー - どうせならハロウィン『…っていう夢を見たんだ。』敦「やめて」って感じの方が…!でも面白かったので良し!!更新頑張ってください! (2016年11月1日 0時) (レス) id: acf5ab12fc (このIDを非表示/違反報告)
こおりざとう(プロフ) - 物部さん» 改めまして、物部さん。コメントありがとうございます!更新頑張ります!! (2016年10月30日 8時) (レス) id: fb35e39608 (このIDを非表示/違反報告)
物部(プロフ) - ネーム変更致しました。元サクヤの物部です_(._.)_改めて更新頑張って下さい! (2016年10月30日 0時) (レス) id: fcc84377d6 (このIDを非表示/違反報告)
こおりざとう(プロフ) - 黒兎さん» フォローありがとうございます!!面白いと言われると、私のやる気が上がります(笑)文才は無いですが、無いなりに頑張っていきます。 (2016年8月19日 7時) (レス) id: 78284aef9a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こおりざとう | 作成日時:2016年7月12日 22時

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