国木田君が女装するしか、 ページ43
皆の目が云っている。
お前にしか出来ないと。
そんなこと判ってる。判ってるけど……遣りたくないものは遣りたくない。
「あー、あー……、」
敦君が何か云おうと試みたらしいが言葉にならず、視線を左右に動かしている。
『絶対ヤだよ、私。』
紅茶を1口飲み、テーブルの上に置いてあるクッキーを手に取る。
……美味しい。
サックリとした食感と、口の中に広がる
「まあまあ。Aちゃんも判ってるんでしょう？ 自分しか出来る人がいないって。」
太宰さんに宥められた。
なんか負けた気がする。
『それでも……厭なものは厭なんです。』
「それはしょうがないなあ……こうなったら、国木田君が女装するしか、」
「何故俺なのだ!!」
「……ノリ？」
「ノリで俺に女装させるなっ!!!!」
国木田さんの女装か……一寸見てみたいかも。
じゃなくてだな。
『……潜入捜査って、1人ですか？』
「ひょっとしてAちゃん！ ……寂しいんですか？」
ナオミちゃんが首を傾げ乍ら私の顔を覗き込んでくる。
『厭、違っ……くないけど、違う。』
「全く……。ならこの件は断るか？」
『それは駄目。』
国木田さんが、お前はいったい何が云いたいんだ、という目で此方を見てくる。
そりゃそうだろうよ。
『…………………………判った、遣る。』
何時迄も駄々をこねて皆を困らせるほど子供じゃない。
私は渋々といった様子で小さく頷く。
「なら、軍警には連絡しておくぞ。」
『ん。』
「そうとなれば、早速制服選びですわね!!」
「制服選びって何だィ？」
何のことやらサッパリといった様子の晶子先生を見て、ナオミちゃんは立ち上がり、パンと手を叩く。
「私、先ほど軍警の方が来られた時にお茶を出しに行きましたの。
其の時にチラリと聞いたのですが……依頼が来た高校は確か、制服の種類が多数ある筈ですわ！ Aちゃんに似合う制服を探しましょう！！」
鏡花ちゃんと晶子先生に視線を向けるナオミちゃん。
鏡花ちゃんと晶子先生は、楽しそうと乗り気だ。
…………私の意思は!?
「国木田さん！ 早速、制服のサンプルを持ってきて下さるよう、軍警の方に伝えてもらえますか!!」
「お、おお……。」
目をキランキランに輝かせるナオミちゃんに気圧されたのか、国木田さんはナオミちゃんの要求に首を縦に振る。
潤君の目が、ごめんねと云っていた。
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こおりざとう(プロフ) - みるくてぃーさん» 確かにそちらの方が、後味も悪くなく(？)良い気がしますね…！次からは、もう少し幸せな終わり方を目指してみます。ありがとうございました。更新頑張ります！ (2016年11月2日 21時) (
レス) id: fb35e39608 (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー - どうせならハロウィン『…っていう夢を見たんだ。』敦「やめて」って感じの方が…！でも面白かったので良し！！更新頑張ってください！ (2016年11月1日 0時) (レス) id: acf5ab12fc (このIDを非表示/違反報告)
こおりざとう(プロフ) - 物部さん» 改めまして、物部さん。コメントありがとうございます！更新頑張ります！！ (2016年10月30日 8時) (レス) id: fb35e39608 (このIDを非表示/違反報告)
物部(プロフ) - ネーム変更致しました。元サクヤの物部です_(._.)_改めて更新頑張って下さい！ (2016年10月30日 0時) (レス) id: fcc84377d6 (このIDを非表示/違反報告)
こおりざとう(プロフ) - 黒兎さん» フォローありがとうございます！！面白いと言われると、私のやる気が上がります(笑)文才は無いですが、無いなりに頑張っていきます。 (2016年8月19日 7時) (レス) id: 78284aef9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こおりざとう | 作成日時：2016年7月12日 22時
