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『任務中に宝探しとか……っ。あんた頭湧いてるんじゃないの?』
「成程。Aは字が汚くても、普通の人より頭は良いから、言い返す権利があるという訳だね。字は汚いけど。」
『何 故 2 回 云 っ た。』
「大切なことは2度云いましょう。首領の教えさ。」
『ダウト! 首領は、【1度で聞き取り理解出来なかったお前が悪い】主義ですぅ!』
「何そのネーミングセンス……。」
治は私を蔑むような……いや、汚物でも見るような目で見てきた。
治の攻撃により、AのHPバーは一気にイエローゾーンまで減る。
……くっ、拙い。早くポーションで回復しなければ!!
んー、私の武器は多分、長槍とかかなぁ。後衛が向いてる気がする。
中也は両手剣とか?あれ、でも両手剣って凄く大きいよね……中也より大きいんじゃ……
『ぶふっ!』
「……?」
ああ駄目だ。想像したら笑えてきた。
さて、問題は治だな……治は片手剣?
厭、こいつが前衛になる訳ない。
いつも静かに指示を出して……
「先刻から何してるの、A。」
『出たなラスボス!!』
「……は?」
治のマジトーンの「は?」は、かなり怖い。
流石はマフィアになるために生まれてきた男。
「なに独りで盛り上がってるの。ほら、行くよ。」
『え、何処に?』
「決まっているだろう。巻き込まれただけの、可哀想な
治はこう云って、スタスタと足を進める。私のことを待つ気配なんて微塵もない。
私は小走りで治に追いつき、隣に並ぶ。
「さあ、此処だ。」
治が立ち止まった扉は、確かに今までのものより煌びやかだった。
『……今回の仕事は皆殺しだよね。』
「そうだけど……なんだい、急に。」
『如何して私なの?』
治は意味が判らないと云うように顔を顰めた。
「そんなこと私に聞かないでおくれよ。決めたのは首領だよ? そんなにAは厭だったのかい?」
『そうだね、厭だよ。真逆、ここまで疑われてるとは思わなかった。』
「如何したんだい、急に。」
先程までの様子はどこへ行ったのか。治は半笑いで首を傾げる。
『意味が判らないなら教えてあげる。
──如何して首領と治の間では、私が組織を裏切るかもしれないという仮説がたってるの?』
「……なぁんだ。気づいてたのか。」
『生憎、そこまで落ちぶれてないからね。』
「判ってるなら話が早いね。今日の任務の本来の目的は、君を試すことだよ。」
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こおりざとう(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます!お返事が遅くなり申し訳ありません…!ギャグ系のお話を書くのは苦手意識があるので、楽しかったと言ってもらえると、凄く嬉しいです! (2017年12月28日 22時) (レス) id: f96c6ac768 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^ヒロインのノリ&ツッコミ、楽しかったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2017年12月20日 0時) (レス) id: 8c0a96a096 (このIDを非表示/違反報告)
こおりざとう(プロフ) - haruさん» お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。コメントありがとうございます!面白いと言っていただけて、とても光栄です! 更新頑張ります。 (2017年1月1日 2時) (レス) id: fb35e39608 (このIDを非表示/違反報告)
haru - めっちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2016年12月27日 9時) (レス) id: 6436e63b4f (このIDを非表示/違反報告)
こおりざとう(プロフ) - あいかさん» コメントありがとうございます! このコメントが、今年のクリスマスプレゼントになりました(笑) 更新頑張ります!! (2016年12月27日 0時) (レス) id: fb35e39608 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こおりざとう | 作成日時:2016年10月4日 1時