１３． ページ14
「声を掛けられたら？」
『付いて行って搾り取れるだけ情報を搾り取る!!』
「使える駒は？」
『隈無く使う!!』
「用無しは？」
『躊躇いなく切り捨てる!!』
「字は？」
『…………絶対に書かない。』
治と、もう恒例となったやり取りをする。
因みに之は、移動中の車の中で行われている。
運転は……勿論、マフィアの黒服さんである。
治になんか運転させられるか。目的地に着く前にぽっくり逝くわっ！
治は、私と同じ純白のスーツに身を包んでいる。
やっぱり黒の方が似合うなあ……と思ったのは此処だけの話。
『ねえ。』
「何？」
治は前髪を弄りながら答える。
こちらをチラリとも見やしない。
『証拠を掴むって云ったけど……いったい何の？』
「……ホントに何も聞いてなかったの？」
治は大きな溜め息を吐き、呆れたような眼で私を見る。
『当たり前だよ。仕事があるってしったのだって、数時間前なんだから。』
溜め息を吐き乍ら、森さんって人は……等とブツブツ呟やく治。
「人身売買だよ。」
『またか……。』
「そんなこと云わない。
こちらとしては、もう確信してるんだけどね。ただ、決定的な証拠が無い。」
『証拠も無いのに、確信してるの？』
私は、もし違ったら？という意を込めて治を見つめる。
すると治は、光の無い目でニヤリと笑う。
ーー違うなんて有り得ない。
「私が確信してるんだ。もし違ったらなんて有り得ない。」
『……そだね。』
治の敵じゃなくて本当に良かった、と思ったところで車がゆっくりと停まった。
黒服さんは黙って車から降り、後部座席の扉を開けると、一言
「目的地です。」
と云う。
「やあ、ありがとう。何時も悪いね。」
「いえ、仕事ですから。」
『ほーんと、治が運転出来たら良いのにねえ。』
「私、運転出来るよ？」
『治が一寸運転するだけで、霊柩車が３台は必要になる。』
ーーえー、そんなこと無いよう。
先程迄の雰囲気は何処へ行ったのか……。
治は唇を尖らせ乍ら、ブーブーと文句を垂れる。
『ほらっ、行ーくーよー。』
「厭だなあ。面倒だなあ。」
『……私だって面倒だよ。』
私の小さな呟きに、治は優しく笑った。
「ほら、後で何でも買ってあげるから。行くよ。」
『何で私、
「何が欲しい？」
『マドレーヌ』
「子供だねぇ。」
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こおりざとう(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます！お返事が遅くなり申し訳ありません…！ギャグ系のお話を書くのは苦手意識があるので、楽しかったと言ってもらえると、凄く嬉しいです！ (2017年12月28日 22時) (
レス) id: f96c6ac768 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^ヒロインのノリ&ツッコミ、楽しかったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2017年12月20日 0時) (レス) id: 8c0a96a096 (このIDを非表示/違反報告)
こおりざとう(プロフ) - haruさん» お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。コメントありがとうございます！面白いと言っていただけて、とても光栄です！ 更新頑張ります。 (2017年1月1日 2時) (レス) id: fb35e39608 (このIDを非表示/違反報告)
haru - めっちゃ面白いです！更新頑張ってください！ (2016年12月27日 9時) (レス) id: 6436e63b4f (このIDを非表示/違反報告)
こおりざとう(プロフ) - あいかさん» コメントありがとうございます！ このコメントが、今年のクリスマスプレゼントになりました(笑) 更新頑張ります！！ (2016年12月27日 0時) (レス) id: fb35e39608 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こおりざとう | 作成日時：2016年10月4日 1時
