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私とりゅー君の視線がぶつかる。

……こりゃ、云い逃れ出来ないな。




「済みませんっ、いきなりこんなっ」
『出来るよ。』

「……え?」

『大丈夫。りゅー君なら、治を認めさせること、出来るよ。』




私が笑うと、りゅー君は強ばっていた頬を緩ませた。




「ありがとうございます。Aさんの期待に応えられるよう頑張ります。」

『おう! 頑張ってくれ給え。あ、でも。頑張りすぎは善くないよ。心配する。私も、銀ちゃんも。』




判りました。りゅー君はこう云って、ソファーから立ち上がった。




「そろそろ失礼します。仕事が入っておりますので。」

『仕事かぁ、善いねえ。私は今日、何も無いから。』




ヘラリと笑って見せると、りゅー君はキョトンとした。




「Aさんも、これから仕事なのではないですか?」

『え?』
「え?」




おいおいおい、一寸待ちたまえ。
私はそんなの聞いてない。





『りゅー君、それ、誰情報?』
「太宰さんですが……。」

『彼奴かっ!!』

ーー因みに、治は何て?



「確か……

“悪いが、今日はここまでだ。
今夜はAと仕事だからねえ。不本意だけど。”

と仰っていましたが。……ご存知無かったのですか?」

『ちっとも。』




りゅー君は、余計なことを云ってしまったのかと、オロオロしている。



『ありがとうね。教えてくれて。』




嗚呼、私は今、怖い顔をしているのだろう。りゅー君が震えてる。

だが許せ、りゅー君よ。私はそれ程に、治に対して怒っているのだ。




りゅー君は半ば逃げるように、失礼しましたと部屋を飛び出してしまった。




『あは、あはは、』





私の携帯の画面には“治”の文字。
発信釦を押せば、今すぐにでも治に電話が掛かる。





が、私は発信釦を押すことはせず、そのまま部屋を出る。







目的地は









────治の部屋

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こおりざとう(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます!お返事が遅くなり申し訳ありません…!ギャグ系のお話を書くのは苦手意識があるので、楽しかったと言ってもらえると、凄く嬉しいです! (2017年12月28日 22時) (レス) id: f96c6ac768 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^ヒロインのノリ&ツッコミ、楽しかったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2017年12月20日 0時) (レス) id: 8c0a96a096 (このIDを非表示/違反報告)
こおりざとう(プロフ) - haruさん» お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。コメントありがとうございます!面白いと言っていただけて、とても光栄です! 更新頑張ります。 (2017年1月1日 2時) (レス) id: fb35e39608 (このIDを非表示/違反報告)
haru - めっちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2016年12月27日 9時) (レス) id: 6436e63b4f (このIDを非表示/違反報告)
こおりざとう(プロフ) - あいかさん» コメントありがとうございます! このコメントが、今年のクリスマスプレゼントになりました(笑) 更新頑張ります!! (2016年12月27日 0時) (レス) id: fb35e39608 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こおりざとう | 作成日時:2016年10月4日 1時

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