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side_Hokuto
俺も吸血鬼ならよかったのに…
そんなことを、度々思う。
吸血鬼なら、
わざわざ村まで行って食料を買わなくても、
血を吸って生きていける。
「夜ならついて行けるのに…」
「夜はお店開いてないよ」
出かける準備をする俺に、
大我は心配そうな目を向けている。
太陽が苦手な大我は日中は外に出ることもできず、
俺ひとりで村に行くしかない。
支度を終え、
出ようとすると大我は俺の腕をギュッと掴む。
そして、首元に優しく牙をたて、
ほんのりチクッと痛みをおとした。
「…早く帰ってきてね」
「わかってる」
俺は大我を強く抱きしめ、
額にキスをして家を出た。
また村に行けば、慎太郎はいるのだろうか…
「よろしく」といった彼が、まだいるのだろうか。
もしかしたら、もう他の村の人々と同じ
冷たい目になってしまったかもしない。
それならそれでかまわない。
むしろ、それが正解なんだ。
けど、なぜかそう思うと、胸がほんのり痛んだ。
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ま り ゅ 。(プロフ) - 会場にいました !! 面白かったです 、次回作もとても楽しみにしております ^ ^ (2019年5月3日 21時) (レス) id: 175c974560 (このIDを非表示/違反報告)
りほ(プロフ) - HARUTOを感じさせるところがたくさんあり、とても面白かったです!お疲れ様でした! (2019年5月2日 21時) (レス) id: 8fe4720d0e (このIDを非表示/違反報告)
あいたん(プロフ) - お疲れ様でした!とても楽しかったです。実は私も大阪でズドンしてました笑この作品の世界観がとても好きで、毎回更新を楽しみにしてました!次の作品も楽しみにしてます! (2019年5月2日 18時) (レス) id: 634aec9d51 (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり。(プロフ) - いつも更新お疲れさまでした!こういう雰囲気の小説初めて読んだんですが見事にハマりました!私の好きなCPが両方入ってて更新される度に見るのが楽しみでした!次回の作品も楽しみに待ってます! (2019年5月2日 11時) (レス) id: 9dc82746ac (このIDを非表示/違反報告)
紅の三角#苺日和 - お疲れ様でした!!毎日の楽しみになっていた月華。前作から読んでいて、さいかさんの書き方そのままうつしたいぐらい好き…次作楽しみに待ってます♪ (2019年5月1日 23時) (レス) id: ccec864579 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さいか | 作成日時:2019年3月17日 18時