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side_Hokuto
「…あ、ない」
食料庫を開けて俺は驚いた。
食材が何も入っていないのだ。
大我は血さえ吸えば、食べ物がなくても
生きていけるが、彼はたまに娯楽のひとつとして
普通に食事をする。
大我を問いただすとやはり、俺の一週間の食料を
昨晩、食べ尽くしてしまったらしい。
食料を調達するには森をぬけた先にある
小さな村に行かなければならない。
「ちょっと出かけてくる」
「どこに?」
「村」
「なんで?」
「…夕飯の食料もないので」
俺は玄関にかけられたローブを羽織り、
フードを深くかぶる。
「気をつけてね」
「うん、じゃ」
「待って」
そう言うと大我は俺の首筋に噛みついた。
しかし、血は吸わず、甘噛みするだけ。
これは俺が大我から離れる時に必ずする事で、
大我にとっては首輪と同じ意味らしい。
俺がどこかへ逃げ出さないよう、
自分と繋いでおくための鎖の代わり。
「いってきます」
「いってらっしゃい」
この行動にすっかり慣れた俺は、
首元にできた傷をひと撫でして家を出た。
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ま り ゅ 。(プロフ) - 会場にいました !! 面白かったです 、次回作もとても楽しみにしております ^ ^ (2019年5月3日 21時) (レス) id: 175c974560 (このIDを非表示/違反報告)
りほ(プロフ) - HARUTOを感じさせるところがたくさんあり、とても面白かったです!お疲れ様でした! (2019年5月2日 21時) (レス) id: 8fe4720d0e (このIDを非表示/違反報告)
あいたん(プロフ) - お疲れ様でした!とても楽しかったです。実は私も大阪でズドンしてました笑この作品の世界観がとても好きで、毎回更新を楽しみにしてました!次の作品も楽しみにしてます! (2019年5月2日 18時) (レス) id: 634aec9d51 (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり。(プロフ) - いつも更新お疲れさまでした!こういう雰囲気の小説初めて読んだんですが見事にハマりました!私の好きなCPが両方入ってて更新される度に見るのが楽しみでした!次回の作品も楽しみに待ってます! (2019年5月2日 11時) (レス) id: 9dc82746ac (このIDを非表示/違反報告)
紅の三角#苺日和 - お疲れ様でした!!毎日の楽しみになっていた月華。前作から読んでいて、さいかさんの書き方そのままうつしたいぐらい好き…次作楽しみに待ってます♪ (2019年5月1日 23時) (レス) id: ccec864579 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さいか | 作成日時:2019年3月17日 18時