【QK】私は社長の育てかたを間違ってしまったらしい。【izw】 (ページ20)

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社長はとんでもない物を盗む予定です。ページ20

拓司くんの部屋に入ると懐かしいこの香り。
特に芳香剤を使ってるわけじゃないのに感じる心地よい香り。
リラックス効果があるんじゃないかってくらいの。

小さい頃から見てきた拓司くんの背中は今じゃ大きく見えて、私の知らない伊沢くんになっていた。

「て、提案って何かな…？そんなこの歳になってレポートだしてとか言わないよね…？」

「言わないさ。レポートより大事なこと」

拓司くんが振り向いて話してくる。

「今の俺を男として見て欲しいから、少しの間でも良いから恋人みたいに付き合って欲しい。その後やっぱり無理なら無理で良いから」

「えっ？」

「言わば仮氏ってこと。ホントの恋人じゃない仮の恋人。それで俺を見極めて欲しい」

「で、でもそんなことして拓司くんは良いの…？」

「そうでもしないと見てくれないでしょ、俺のこと」

「あ、あの…そんなこともないようなあるような…」

「決定ね？期間はAさんに任せるから、３日間だろうが一年掛かろうが俺はAさんをその気にさせる自信があるから」

私に向けて銃を撃つような真似をする拓司くん。
少女漫画ならヒロインはここで心を奪われるんだろうな。

どっかのお城のお姫様みたいに私の心も拓司くんに奪われてしまうんだろうか…。

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