ホントの親みたいなプロデューサー。 ページ8
約束を取り付けて胸の奥がはしゃぎだす。
顔には一切出さないようにしてたのに、Aさんにはバレてしまったようで苦笑い。
お互い抱き合っていると拓実が寝返りしてこっちをジッと見てくる。
Aさんは拓実に背中を向けているから気づかない。
俺と拓実の目が合って固まってしまう。
いや、拓実が隣にいる時でさえ少しイチャついたりしてるから今更拓実に対して気まずいとかいう感覚はなくなってきたけど…。
いや、赤ちゃんの近くであんなことしてたなんて兄にバレたらヤバいな。
でもまだ拓実、喋れないし多分大丈夫でしょう。
拓実はまだ俺のことを見てる。
ん？どうした？
いつもの表情とは違う気がする。
なんだか顔色も悪いように見える。
「Aさん、拓実なんだかおかしい気がする…」
「えっ、あ、拓実さん起きてたんですか…？」
頬を触ってみると熱い。
あったかいなんてもんじゃなく熱い。
Aさんに状態を報告して体温を計る。
「………ヤバい」
「どのくらいありました？」
「39.2℃だ……え、病院？でも今日日曜日だし…」
「お、落ち着きましょう、福良さん」
どうして良いか分からなくて２人して慌てる。
個人病院なんてやってるわけないから総合病院なら救急外来で診てくれるかもしれない。
「とりあえず、近くの総合病院の救急外来に電話してみる！」
「そうですね！私すぐ病院に行けるように準備してくるので福良さんは電話お願いします！」
赤ちゃんを連れての外出は準備がかなり必要だ。
お互い連携を取って病院に向かうことにした。
幸い、レンタカーをまだ返していなかったのは好都合だ。
料金は高くなるけど仕方ない。
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作者名：*ゆ う* | 作者ホームページ：
作成日時：2021年2月28日 12時
