こんにちは赤ちゃん。*after story * ページ31
拓実のお世話を2人でしてから早5ヵ月が経った。
Aとは同棲を始めて毎日のように愛し合っていた。
いろんな意味で。
「ふ、福良さん。これを裏返ししたら全てが分かっちゃいますけど、覚悟は良いですか?」
「俺はいつでも大丈夫だよ」
「呑気なんだから、まったくもう」
Aは緊張しているようだ。
それもそのはず、今2人の目の前に置かれているのは妊娠検査薬。
裏返しにして数分経っているからそろそろ判明する。
ひっくり返したら陽性か陰性かが分かる。
俺たちにとってとても緊張する瞬間。
数日前にAから来るべきモノがかなり遅れている時告げられてとりあえず買わなきゃと夜中まで営業しているドラッグストアにて購入。
ジュースとかお菓子とかに混ぜて買った不自然な一箱。
レジの人は妊娠検査薬だって分かっているから綺麗な紙袋に入れてくれた。
カモフラージュ失敗。
そして翌日の夕方、ドキドキしながらAはトイレで検査をして裏返しにして俺と一緒に待機している。
「い、行きますよ?見ちゃいます?」
「早く見せてよぉ、もしかしたら赤ちゃん出来てるかもしれないんだから」
「出来てたらどうしたいですか?」
「もちろん産んでほしいよ」
「結婚してないのに?」
「ちゃんとプロポーズするよ」
見つめ合って俺の本気度を確かめてもらう。
通じたみたいで安心する。
「じゃあ、一緒に見ましょう」
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作者名:*ゆ う* | 作者ホームページ:
作成日時:2021年2月28日 12時