またな。 ページ28
朝だって言うのに久しぶりに会う人物がそこに座って朝ご飯を食べていた。
「何してるの、兄さん」
「おう、おはよう。拓実を長い間ありがとうな。母さんとAさんから話は聞いたよ、彼女良い人じゃないか」
「いつ帰ってきてたのさ」
「夜中だよ。母さんには連絡していたから起きててくれたけど、お前たちは寝ている時間帯に着いたからな」
拓実がリビングで一人遊びをしていた。
ホントのパパが迎えに来たぞ、拓実。
「なんだ、淋しいか?」
「安心したよ、拓実にはやっぱり兄さんじゃないとね。奥さんの体調は?」
「ああ、だいぶ前に退院して家で療養してるよ。育児ノイローゼが引き起こした体調不良なんだってさ。俺もお前みたいに奥さんをサポートしなきゃな」
奥さんもAと同じく育児に疲れていたのか。
そりゃそうだよな。妊娠期間を経て痛い思いをして産んで休む暇なく育児して。
兄さんはあまり育児に参加していなかったみたいだから育児ノイローゼになるのも仕方がないかもしれないな。
「今度からはちゃんとサポートしてあげなよ、兄さん」
「承知した」
早く東京に戻ると言って兄さんは拓実と一緒に帰っていった。
姿が見えなくなるまで拓実は俺たち2人のことを見ていたような気がする。
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作者名:*ゆ う* | 作者ホームページ:
作成日時:2021年2月28日 12時