【QK】弐・プロデューサーと君と時々赤ちゃん【fkr】 (ページ27)

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メッセージに既読が付かなくても。ページ27

朝が来て隣に寝ていたはずのAが居なくて探す。
きっと母さんの手伝いをしてるんだろうな。
一階から朝ご飯の匂いがする。

「旦那は置いてけぼり、かな…？」

自分の中ではもう入籍している気分だった。
俺は２７歳、Aは２６歳だ。
今年の夏にはまた一つ歳を取る。

子どもがいてもおかしくない年齢だ。
独身なのに子育て経験があるのはオフィス内でも俺らくらいだろうな。

河村からメッセージが届いていた。
『仕事の事は気にせずにゆっくりして来い。帰ってきたら残ってる仕事やってもらうけどな。』

河村らしい気遣いだな。
お前はいつも夜中起きてるよな。
またバーチャル世界にでも誘われたか？

『ありがとう。帰ったらちゃんと仕事するよ。河村もあと５本くらい動画の企画提出よろしく。』

スグには既読が付かないことは分かっている。
寧ろ返事は来ないと思う。
だけどちゃんと分かり合えてると思うから。

パジャマから着替えてリビングに行くと朝ご飯が用意されていた。
箸を人数分置いているA。
とても様になってるよ。

「おはよう、A」

「おはようございます、拳さん」

何度も繰り返し交わされた朝の挨拶も幸せなんだよね。
夢に出てきても変わらず素敵な奥さんだったよ。

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