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この匂いと共に。 ページ26

お風呂上がりにキチンとタオルドライをしてオムツを着ける。
最初はあんなに大変だったのに今じゃそこら辺のパパさんより上手いかもしれない。


パジャマに着替えさせて自分の服も着る。
それから用意していた白湯を飲ませる。
と言うより、自分から飲んでるような気がするけど。


「すっかりパパしてるわね、拳」


「叔父さんだけどね。兄さんより子育てしてるかも。まぁ、本物のパパさんには敵わないけど」


「この調子だとスグにパパになっても大丈夫そうね」


「その予定はあるけどね」


「まさか、Aさん妊娠してるの!?」


「まだしてないよ。これから赤ちゃんも出来るだろうなって意味。母さん早とちりすぎだから」


「ヤダもう。赤ちゃん出来る前に入籍しときなさいよ。授かるのが先でも、母さん全然構わないけど」


「コウノトリ次第かな。今はちゃんとコウノトリがお仕事しないようにしてるけど」


リビングに頬を赤くしたAが入ってきた。


「拳さんっ!そんな恥ずかしいことお母さんたちにバラさないでくださいっ…!」


「事実を言ってるだけだから、ね?」



いつも見ているパジャマ姿、実家で見るともっと可愛く見えてくる。


今夜は母さんたちが拓実と寝たいと引き取ってくれたおかげで懐かしい俺の部屋で布団を敷いて2人で寝ることにした。


「拳さんの匂いがする…」


「俺の部屋だからね。いつも一緒にいるから慣れてるでしょ?」


「ずっとこの匂いと一緒だと思うと嬉しいんです…」


目蓋を閉じる君の布団に入り込む。
ひとつの布団じゃ狭いけど一緒にいたいから。


「A、愛してるよ」


「私も愛してます、拳さん」




俺たちは抱き合いながら眠りについた。






.

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作者名:*ゆ う* | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年2月28日 12時

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