【QK】弐・プロデューサーと君と時々赤ちゃん【fkr】 (ページ11)

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気が早いプロデューサー。ページ11

９日目の月曜日。
拓実のお世話も折り返し地点を過ぎた。
拓実はあの後熱も下がり少しずつだけどミルクも飲めている。

吐いたのは咳の勢いだったらしく、あの後嘔吐をすることはなかった。
Aさんと俺もひと安心。

「そろそろお仕事行きますか？福良さん」

「ホントはAさんと家に居たいんだけどね」

「プロデューサーが何言ってんですか！福良さんが居ないとみんなダラけちゃいますよ？」

俺の胸をポンと叩くAさん。
頭の上にキスを落とす。
俺を見上げたAさんの頬に手を置いてまた口づけをする。

もはや恒例になりつつある行為だが飽きることなんてなかった。
やらなきゃ１日が始まらないって感じだ。

「拓実のこと、よろしくお願いします」

「はい、拓実さんのこと任されました」

行ってきますと一人暮らししていた俺には有り得ない言葉を口にして家を出る。
オフィスに向かう途中に立ち寄ったコンビニで結婚情報雑誌とお腹を大きくさせた女性が表紙の雑誌を見つけた。

「いつか、俺たちも必要になるかな…」

気がついたらもういい歳だし、と自分を説得する。
"買っちゃえ"と言う俺と、"さすがに買ったら引かれるよ"と言う俺。

前者の主張が認められて２冊を持ってレジで会計を済ませた。
買ってから急上昇する後者の主張。

バッグに収まらないサイズの雑誌を袋のまま持って出社することになった。

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