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マシュマロのお言葉。 ページ28

執務室に入ると福良が「伊沢から聞いた?」とニヤニヤしながら言ってきた。

「僕はなんでも知ってるよ」

「神だもんね」

「変なキャラ付けやめてよ」

「Aが入社決めてくれたのは河村の存在が大きいんじゃない?俺が半年間誘っても首縦に振ってくれなかったのに河村と話すようになってからA変わった気がする」

「僕はなにもしてないよ。うん、何も出来てない…」


入社を決めたのは僕の成果なんかじゃないんだ。
福良たちが今まで誘ってたからこその結果だと思う。僕は何もしてないし出来てないんだよ。


「俺はそうとは思えないけど。河村は知らないだけだよ、俺は分かる」

「お前はAさんの考えてること分かるのかよ」

「分かるよ、親友だもん」


お前は近くて僕は遠い。
いくら恋愛感情ないからとは言え妬いてしまうくらいだよ、全く。


「悪いけど僕の方が好きな気持ちは強いからな」

「河村の気持ちも十分分かってるよ、俺たち友達じゃないか」

「お前よくそんなクサイ台詞言えるな」

「お互い様でしょ」


二人して笑って僕はこんな友人がいて幸せ者だと思った。今は同僚という立場だけどこいつとはそれなりの関係がある。


よく出来た友人だよ、僕なんかとこうして一緒にいてくれてさ。
いろんなきっかけを作ってくれた人、福良拳。
名前は強そうなのに実際会うとマシュマロみたいな柔らかいやつ。
少しその柔らかさ、僕にも分けてくれ。




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作者名:*ゆ う* | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年1月3日 20時

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