【QK】僕の好きな人はあいつの親友【kwmr】 (ページ20)

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目覚めたら君がいて。ページ20

目を覚ますと部屋は薄暗くなっていた。
どれくらい寝ていたんだろう。
横を向くとAさんが壁を背もたれにして座りながら寝ているようだった。

僕のためにそばにいてくれたのか？
そんな淡い期待を持ってしまう。

部屋の奥でキーボードを叩く音が聞こえそっちに視線を移すと福良が仕事をしているようだった。

「福良、いま何時？」

「河村、起きたんだ。今は5時16分だね」

その時間ってことはもう朝なのか。随分長い時間寝てしまったのかもしれない。

ノートパソコンを閉じて僕のそばに来るといま重宝されている非接触体温計で熱を計り始めた。
すぐにピッと音が鳴ると測定結果が表示された画面を見せてきた。
37.4℃か、まだ少し怠いけどだいぶ良くなった気がする。

「下がったね、半日くらいでこれだけ下がるだなんてAの看病が効いたかな？」

少し無防備に開いてる口がとても可愛らしい。
ありがとうって小さく君に呟いた。

「Aには帰りなって言ったんだけど、河村の様子見るって聞かなくてさ」

「愛されてるね、僕」

「まだ早いから」

分かってるよ、Aさんにとって僕は親友の同僚。
昨日たまたま一緒に出掛けて風邪を引かせてしまったと思ってるんだろう。

それでも僕は嬉しくてゆっくり体を起こして君に毛布をかけた。

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