第13話 ページ15
ほのかに香るシトラスの柔軟剤のいい香りが鼻をくすぐった。
目を覚めると真っ白な天井やった。
「ん、ここどこや…?!って、おわっ!!!」
角名「あ、起きた?」
どうやらここは保健室のベッドの上。
それは理解した、でもなんで倫太郎がベットの傍に座ってるんですか??
むっちゃいい匂いするんですが?
角名「治とA、HR始まっても来ないから遅刻したのかなって思ったんだけど、Aバスで倒れて治が保健室まで運んだって聞いて…。
びっくりした。大丈夫なの?」
「え、そうやったんや…。大丈夫やけど、サムドイッチにお礼言わな…。
てか、え、それよりも、なんでスナここにいるん??
授業はじまってへん?」
時計に目をやると1限が終わる15分前。
角名「俺、一応保健委員だから担任に様子見てこいって言われた。
保健室の先生いなかったし、ついでにサボっちゃおうかなって。」
1限はみんな大嫌いな古典の木村先生だったか。(誰)
「私を出汁にしてサボったなスナめ。」
角名「いいじゃん。Aだって目覚まして1人だったら寂しいでしょ?」
なんやそれは。
寂しいどころか、保健室に倫太郎と2人っきりやぞ。
どないしてくれるん、オイ。
私のバスでした妄想「倫太郎とあんなことやこんなこと」の中に、放課後、夕日が指す2人っきりの保健室で…っていうシチュエーションあったからな。
放課後ちゃうけど。
夕日も差してへんけど。
「ぬあああっ!」
角名「えっ、ごめん怒った?」
「怒ってへん!」
なんか恥ずかしくなってもう一回布団の中に顔を埋めた。
角名「貧血だったらしいよ。邪魔してごめんね、もう一回寝る?」
そう言って立ち上がった倫太郎。
戻るん?ねえ、教室行ってまうん?
布団から手を出して、倫太郎の制服の裾をちまっと掴んだ。
「寝えへんから、まだ行かんといて。」
やべぇ女子みたいなことしちゃった。
女子やけど。
角名「え…。分かった。じゃあ、行かない。」
裾をつかんでた私の手をキュッと握って、倫太郎は再びベットの傍に腰を下ろした。
手。
倫太郎の手。
細くてすらりとした手。
いつもブロックとかスパイクしてる手。
その倫太郎の手が、
私の手を握ってらっしゃる…。
角名「A鼻血出てるっ!大丈夫じゃないじゃん。」
大丈夫なわけあるかい。
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光魚苦(プロフ) - たたちゃ〜ん!!!早く更新して★ (2020年9月4日 3時) (レス) id: c7e0cd7ffb (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - とてもこの作品が好きです!更新楽しみにしています! (2020年6月4日 1時) (レス) id: 6cf5a12da9 (このIDを非表示/違反報告)
すんよる(プロフ) - 本当に好きすぎて死にます。作者さん生まれてきてくれてありがとう。更新待ってます。私は作者お姉さんになります。 (2020年5月31日 2時) (レス) id: 22bb7fbe7f (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - こんにちは。更新されるたび楽しみが止まりません!いつも楽しく見させていただいています。 (2020年5月24日 17時) (レス) id: 7700997db3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たたねんこ | 作成日時:2020年5月21日 2時