第53話 ページ7
涼くんと2人肩を並べて、帰りの電車に揺られる。
気まずくなると思っていた。
私以外のバイトは彼だけなのだから気まずくなるのは嫌だった。
これからもシフト被ることあるだろうし。
それでもそう感じないのは彼のおかげだろうか。
涼「そんでな、そん時の俺の友達がなー…」
「なにそれ、おもしろ！」
涼「せやろー！」
気を使うことなく、普通に話せている。
さっきのことはなかったかのようなからの素振り、態度。
このまま何もなかったことにして、普段通りにしていいのだろうか。
そんな風に話しているうちに、次は私の最寄り駅というところまで電車は来た。
「今日、ほんと楽しかった、ありがと。」
涼「俺の方こそ、遅くまでありがとうな。めっちゃ紅葉綺麗やったし！」
「んね、ほんとに綺麗だったね。」
席を立ってドア付近まで行く。
そうして駅に到着し、電車の扉が開く寸前に、
彼は言った。
涼「俺が言ったこと。忘れんといて。俺、まだしばらく諦められんと思うから。
Aさんが、他に好きな人いるっていうのも分かったし、俺はAさんが幸せならそれが1番やけど、
俺の気持ちも忘れんといてほしい…。」
ドアの近くに座ったまま、目を伏せながらそう呟いた彼。
「分かった。ありがとう。
私は涼くんのこと、友達としては好きだよ。
これからもいつも通り仲良くしてほしいな…」
残酷なこと言ってるのは分かってる。
けど、私も自分の気持ちに嘘はつきたくなかった。
涼「…おん、もちろんや。ほんじゃ、またな！」
「ありがとう、またね！」
ドアが閉まり、電車が見えなくなるまで手を振った。
こうやって、ちゃんと相手に伝えられる、涼くんのこと尊敬する。
私は、治さんに好きなんて絶対言えないし。
今のまま、バイトとして隣に立って、治さんのお店を支えられるだけで幸せ。
治さんは私には手が届かないくらい素敵な人。
「夜は寒いなぁ…。」
空を見上げると星が綺麗だった。
「オリオン座だぁ…」
もう冬が近付いて来ていると肌で感じる。
寒いのは苦手。
それに12月に入ったら、町中イルミネーションの光がきらめき、
赤と緑に装飾されるお店が増える始める。
そう、クリスマスがやってくる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1635人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちかな(プロフ) - とても良かったです…素晴らしいお話でした！！！よろしければ番外編も見たいのでパスワード教えていただいてもいいでしょうか？あの続きを読みたいです！！ (6月6日 11時) (
レス) id: 94bbb03075 (このIDを非表示/違反報告)
ごま吉(プロフ) - 凄く面白いです！ですが68話のところ名前が(がないせいで変換されてないのが気になりました……！) (2021年11月10日 11時) (レス) @page25 id: 162c50cd7b (このIDを非表示/違反報告)
ayee(プロフ) - 番外編めちゃくちゃ見たいです！ パスワード教えてください。お願いします！ (2021年9月4日 9時) (レス) id: 3db7910b34 (このIDを非表示/違反報告)
えるる(プロフ) - 治ぅ…幸せになってよかったです！素敵でした！番外編私も見たいのでパスワード知りたいです。。ご検討お願いします (2021年8月28日 2時) (レス) id: dae120511d (このIDを非表示/違反報告)
もちーず - あの、番外編短編集のパスワードを教えて欲しいです。身勝手な願いですが、お願いします！ (2021年8月8日 20時) (レス) id: abd0311f3a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：たたねんこ | 作成日時：2020年5月1日 12時
