第65話 ページ22
治side
閉店後、たまたまランニングしている最中だった。
何があったのかはあの状況からは詳しくは分からん。
せやけど、明らかにベロベロなAちゃんをお持ち帰りしようとするクソ男。
嫌な気分にしかならへんかった。
思わずAちゃんの手を引いてもうた。
これが合コンとかで、Aちゃんもこれを望んでいたとしたら申し訳ない。
まぁ、Aちゃんがそんなこと望む子やないなんていうのは1年半以上も一緒に働いとったら分かる。
助けたはいいが、想像以上にAちゃんが酔っていて驚いた。
今までも酔っ払った友達を、酒に強い俺が介抱するなんてことは何度かあったから、
酔っ払いのお世話は慣れてると思っとった。
せやけど、Aちゃんの場合はちゃう。
俺の背中でむにゃむにゃと、
A「おさむっち好き…」
A「ずっとここにいたい…」
なんやねんこの可愛い生き物は。
こっちの気も知らんで。
気軽く男に好きなんて言うもんやないで。
なんて話かけても、寝言で言っているのか返事がない。
とりあえずおにぎり宮まで運ぶと、店の椅子にそっと座らせた。
治「ほれ水飲み！」
水の入ったコップをAちゃんに差し出すが、うっすらと目を開けただけで飲もうとしない。
A「飲ませて。」
治「はぁぁぁあ」
あかんわ。
とりあえずコップをAちゃんの口元まで運んでやる。
飲まない。
治「水くらい飲んどかな明日しんどいで！
Aちゃん夕方からシフト入っとるやん…！」
A「んーー…」
赤い頬にうるうるとした目、
水を飲まそうとしたから潤ったその柔らかそうな唇。
A「おさむっちぃ…」
あかん。
治「Aちゃんが、いけないんやで。」
そう呟いて、俺はコップの水を自分の口へと含み、
Aちゃんの後頭部に手を回すと、
そっと口付けて、その小さな口に水を注いだ。
・
その後は再び眠ったAちゃんを、店の車に乗せて、家まで送った。
辛うじて一度送ったことがあったから、家の場所は知っていた。
家まで着き、申し訳ないと思いながらAちゃんの鞄を漁って鍵を開ける。
Aちゃんをそっとベットに寝かせ、
頭をポンポンと撫でるとむにゃっと笑うAちゃん。
治「こんな簡単に男を部屋にあげたらあかんで…ほんまに…。」
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ちかな(プロフ) - とても良かったです…素晴らしいお話でした！！！よろしければ番外編も見たいのでパスワード教えていただいてもいいでしょうか？あの続きを読みたいです！！ (6月6日 11時) (
レス) id: 94bbb03075 (このIDを非表示/違反報告)
ごま吉(プロフ) - 凄く面白いです！ですが68話のところ名前が(がないせいで変換されてないのが気になりました……！) (2021年11月10日 11時) (レス) @page25 id: 162c50cd7b (このIDを非表示/違反報告)
ayee(プロフ) - 番外編めちゃくちゃ見たいです！ パスワード教えてください。お願いします！ (2021年9月4日 9時) (レス) id: 3db7910b34 (このIDを非表示/違反報告)
えるる(プロフ) - 治ぅ…幸せになってよかったです！素敵でした！番外編私も見たいのでパスワード知りたいです。。ご検討お願いします (2021年8月28日 2時) (レス) id: dae120511d (このIDを非表示/違反報告)
もちーず - あの、番外編短編集のパスワードを教えて欲しいです。身勝手な願いですが、お願いします！ (2021年8月8日 20時) (レス) id: abd0311f3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たたねんこ | 作成日時：2020年5月1日 12時
