第48話 ページ2
そうして迎えたのは夏祭り当日
「暑い〜!!!!」
早朝から、私と治さんは祭り会場で設営や準備をしていた。
設営は涼くんが朝なら来れる!とちょこっとだけ手伝いに来てくれたけど、用事あるらしく帰ってしまった。
今は私と治さんの2人。
右隣タピオカ、左隣ラムネの屋台の人に挨拶をし、私たちも自分の準備にとりかかる。
まだ朝だというのに暑い。
治「Aちゃんえらい暑そうやなぁ〜!
今日1日やし、しんどなったら言うてな?」
「はい!治さんもしっかり水分とってくださいね!」
治「俺は丈夫やから大丈夫や!」
さて、お祭りは昼から始まるが、
メインの花火は夜。
忙しい1日が幕開けだ。
・
・
治「まいどー!」
「400円のお返しですー!」
時間が経つにつれてどんどんお客さんが増えていく。
暖かいおにぎり食べるか!?って思うくらい暑いのに、治さんのおにぎりは売れる。
なぜかというと、
実は今日のために、治さんが編み出した冷た〜い不思議なおにぎりがあったからだ。
客「姉ちゃんシャーベット握り?2つ!」
「はーい、600円でーす!」
私もすごいと思う。
こんな冷たいアイスみたいなおにぎりを、
お客さんは口を揃えて美味しいと言う。
治さんはやっぱり食の天才だよ。
治「Aちゃん疲れたやろ!
向こうでしゃぎりやっとるみたいでお客さんの波一旦引いたから休憩してええよ!
あ、飯食べる??」
「食べたいです!ありがとうございます!」
まだ食べたことなかった例のシャーベット握り。
ずっと売りながら気になってたソレを治さんから受け取る。
屋台裏の用意した椅子にこっそり座り、いただきまーすと被りついた。
「冷たい…、美味しい…、ナニコレ…」
口の中に広がる冷たい風味、おにぎりなのに、アイスみたい、美味しい。
暑い中ずっと働いてたからか、すごく生き返るような気分になる。
「治さんどうやったらこんなの思いつくんですか…。」
治「どうやって…やろな。俺が作ったおにぎりやもん美味しいにきまっとるやろ?」
おにぎりを食べる私を満足そうに見下ろした治さん。
あ、それ、私の好きな顔。
ペロリと食べ終え、隣から貰ったラムネを飲みながら、接客をする治さん見上げた。
首筋につたうその汗さえも輝いて見える。
暑い日差しがジリジリとコンクリートを照らしていた。
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ちかな(プロフ) - とても良かったです…素晴らしいお話でした!!!よろしければ番外編も見たいのでパスワード教えていただいてもいいでしょうか?あの続きを読みたいです!! (6月6日 11時) (レス) id: 94bbb03075 (このIDを非表示/違反報告)
ごま吉(プロフ) - 凄く面白いです!ですが68話のところ名前が(がないせいで変換されてないのが気になりました……!) (2021年11月10日 11時) (レス) @page25 id: 162c50cd7b (このIDを非表示/違反報告)
ayee(プロフ) - 番外編めちゃくちゃ見たいです! パスワード教えてください。お願いします! (2021年9月4日 9時) (レス) id: 3db7910b34 (このIDを非表示/違反報告)
えるる(プロフ) - 治ぅ…幸せになってよかったです!素敵でした!番外編私も見たいのでパスワード知りたいです。。ご検討お願いします (2021年8月28日 2時) (レス) id: dae120511d (このIDを非表示/違反報告)
もちーず - あの、番外編短編集のパスワードを教えて欲しいです。身勝手な願いですが、お願いします! (2021年8月8日 20時) (レス) id: abd0311f3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たたねんこ | 作成日時:2020年5月1日 12時