【原神】神の目を失っただけのはずだった

あの旅人(空)は一体何者? ページ47

「あの降魔大聖がですか?何となく予想はしていましたが、貴女も彼の名を呼べば助けにきて貰えるのですね」

　私の話を聞いた甘雨は少し驚きながらそう言った。「貴女も」って甘雨もってことなのかな?

「『貴女も』って甘雨も?」

　興味本意で聞くと、甘雨は笑いながら首を横に振る。

「いえいえ、私ではありません。Aさんは彼に会ったことがありますか?旅人の『空』という方なんですが」

　え、まさかあの「空」?私がモンドでぶつかった栄誉騎士の。一体彼が璃月で何をしたんだろう。

「モンドの栄誉騎士の『空』で合っているなら先日初めて会ったばかりだよ。でも彼が璃月で一体何を?」

　すると甘雨は目を見開いて驚く。甘雨のそんな顔初めて見た。そんなに璃月でも有名なの?私、全く知らない。

「Aさん、知らないんですか!?彼は璃月を守った英雄なんです!」

　そう言って甘雨は帝君暗殺からの経緯を教えてくれた。実を言うと私はあの事件の時も他国にいたし、あの事件から璃月を訪れていないから噂でしか聞いたことが無かったのだ。

　甘雨が一生懸命話すので、少し離れていた所で休憩していた璃月七星が私達に気づく。

　その中で、凝光と刻晴が歩み寄ってきた。彼女たちとは親交がある。二人はそこまで気が合わないようだけど。

　二人が近づいてきたのに気づいた甘雨は、話し終えると彼女らに謝る。

「すみません、ちょっと声が大きかったですよね」

　しかし、彼女らは「気にしないで」と取れる仕草をした。そして二人は私に挨拶をする。

「久しぶりね、A。あなたは噂で聞いたかもしれないけど、私は魔神オセルとの戦いで郡玉閣を失った。

　でもつい最近再建が完了したわ。先程甘雨が話していた旅人のお陰もあってね。もし良かったら遊びに来て頂戴」

　そう言うのは凝光。そういえば郡玉閣沈んだって噂があったのになんで上空にあるんだろうって少し思っていた。

　それにしても空って一体何者なの?モンドでも璃月でも英雄だなんて。もう七国の英雄になるのも時間の問題なんじゃ…。

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