みっつめの壁 ページ29
ジャンクはAの言葉に驚き、目を開かせる。
そんなジャンクの様子を見てAは慌てたように、
「あっ、いえ、あの……変なこと言いましたよね、すみません。私が看守長だったら、あの四人と一緒に居させて脱獄計画を立てているかどうか聞くことに、利用するだろうなって思っただけで」
と、まくしたてるが、ジャンクには届かない。
何故バレた？
別に変な行動をしたことはない。看守長らしく、いつも通り接していたはずだ。それなのに何故？
ジャンクの焦りに微塵も気がつかないAは、場の空気をなんとかしようと無理やり明るい表情を作りながら、「本音を言えば同じスケジュールは嫌ですけどね」と笑った。
その無理やりの笑顔を見て、ジャンクの心の中の焦りは消え、冷静になっていく。そして今まで感じたことのない感情がふつふつと湧き上がってくる。
Aにこんな顔をさせたくない。今朝のように柔らかく微笑むAが見たい。
ジャンクは、この感情の名前を知っていた。しかし、名前をつけてしまえばもうここにいられなくなり、かつAと会うことすらも出来なくなってしまうことも分かっていた。
なら、全てを隠し通せばいい。
「……Aが嫌だって言うなら変えてやろう。ただし、悪さをすれば即同じタイムスケジュールにしてやるから。……分かった？」
自分の気持ちを一通り整理したジャンクは、わざと意地悪な顔で言う。
その態度はまさしくいつも通りの看守長そのものだった。
急に元に戻ったジャンクの態度に少し怯みながらもAは「はい、ありがとうございます！」と笑った。見たかった笑顔を見ることが出来たジャンクは満足そうに頷くと、「じゃあスケジュール管理してくるから。今日の刑務作業は終わりな」と言って看守塔を後にした。
看守室に戻ったジャンクは、ひと息ついて椅子に座ろうとした。しかしそれは勢いよく入ってきたシモンズによって阻止されてしまった。
「看守長！ 聞いてください！ Aの過去について調べてたんですがとんでもないことがわかりましたよ！ なんとAは」
「もう知ってるからいいよ言わなくて。あ、シモンズ、Aに例の件バレたからAのタイムスケジュール変えといて。俺あいつらを房に連れてくるから。よろしくな」
シモンズの言葉を遮ると、ジャンクは有無も言わさない早さでシモンズに仕事を押し付けて颯爽と看守室を出て行った。
ーー残る壁は、二つ
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N(プロフ) - わーーー！！更新ありがとうございます！！セクハラ仕掛けようとするジャンクさんにキュンときました…！ (2019年1月9日 2時) (
レス) id: 9739c37198 (このIDを非表示/違反報告)
つかさ(プロフ) - Nさん» Nさんはジャンクさん推しなのですね……！ もっとジャンクさんと絡ませていきますね！ (2018年12月28日 22時) (レス) id: 51084a1629 (このIDを非表示/違反報告)
つかさ(プロフ) - りえるさん» りえるさんありがとうございます……！ その言葉で更新再開しようと思えました！ 頑張ります！ (2018年12月28日 22時) (レス) id: 51084a1629 (このIDを非表示/違反報告)
N - 初めまして！ジャンクさん推しなのでとっても最高なお話です！！続きが読めますように…！ (2018年12月14日 2時) (レス) id: 9739c37198 (このIDを非表示/違反報告)
りえる - めちゃくちゃ面白いです！一気に読みきってしまいました！続き楽しみにしています！ (2018年8月16日 21時) (レス) id: abbad6b46b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つかさ | 作成日時：2018年5月27日 21時
