ホットミルクの中には ページ21
……刑務作業部屋にいたのまでは覚えてる。
じゃあここはどこ？
窓が壁一面にあり、そこには高級マンションの最上階顔負けの景色が広がっていた。あまり高い建物が見えないと言うことは、ここはかなり高い建物の中なんだろうという認識はできたが、そこから先は想像では埋めることができない。
ベッドから出るのが煩わしかったAは、外の様子を見ればここがどこか分かるだろうと思いながらも、怠さが抜けきらない体を動かすのを渋っていたが、このままでは拉致があかないと踏ん切りをつけて立ち上がった。
Aは、ゆっくりと、ベッドを降りて、窓にへばりつく。
そこには自由時間の広場が広がっていて、ここがまだ刑務所だということしか理解できず、ただただ広がる景色がそこにあった。
「……寝れないのか？」
いきなり声がして驚いたAは、パッと後ろを振り向く。
そこには、あのキラキラ光る装備を付けたジャンクが立っていた。
「看守……！」
花が咲いたように笑いながら、ジャンクの元に走ったAは、自分では理解できなかった状況を、ジャンクに説明してもらおうとした。
しかし。
「ほら、ホットミルク持って来たから、飲め」
と、最悪のタイミングでジャンクから貰ったホットミルクに気を取られて、説明してもらおうとしていた気持ちが、どこかに飛んで行ってしまった。
「……あ、ありがとうございます、看守」
Aが受け取るのを確認してから、ジャンクは少し聞くか躊躇っていたが、それでも書きたい気持ちが勝ったのか、
「……あいつらとは仲良くやってるか？」
とおそるおそる聞いた。
Aは、首を少し傾げながら、
「人として、いい人たちだな〜と思いますよ。ただ、あまり好かれている気はしないですけど……」
と言って、ホットミルクを一口飲んだ。
「……そうか」
ジャンクはAの持っていたホットミルクを、素早く自分の手に取って、机の上に置いた。
急に、どうしたんだろ、看守……。
Aはそんなことを思いながら、意識が薄れていくのを感じた。
「……おやすみ、A」
「どうでした、看守長。Aは」
メガネをかけた一人の看守が、Aが寝たのを確認して、部屋に入って来た。
「……Aは誘われていないようだし、おそらくまだあいつらは動いてない、と思う。……今度こそ、脱獄を防ぐぞ、シモンズ」
シモンズと呼ばれた看守は、メガネをくいっとあげてから、
「えぇ、勿論です」
と、答えた。
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N(プロフ) - わーーー！！更新ありがとうございます！！セクハラ仕掛けようとするジャンクさんにキュンときました…！ (2019年1月9日 2時) (
レス) id: 9739c37198 (このIDを非表示/違反報告)
つかさ(プロフ) - Nさん» Nさんはジャンクさん推しなのですね……！ もっとジャンクさんと絡ませていきますね！ (2018年12月28日 22時) (レス) id: 51084a1629 (このIDを非表示/違反報告)
つかさ(プロフ) - りえるさん» りえるさんありがとうございます……！ その言葉で更新再開しようと思えました！ 頑張ります！ (2018年12月28日 22時) (レス) id: 51084a1629 (このIDを非表示/違反報告)
N - 初めまして！ジャンクさん推しなのでとっても最高なお話です！！続きが読めますように…！ (2018年12月14日 2時) (レス) id: 9739c37198 (このIDを非表示/違反報告)
りえる - めちゃくちゃ面白いです！一気に読みきってしまいました！続き楽しみにしています！ (2018年8月16日 21時) (レス) id: abbad6b46b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つかさ | 作成日時：2018年5月27日 21時
