正義の味方 ページ2
「おい、お前。何をしている？彼女から手を離してもらおうか」
冷たかった房の中で、聞き慣れない暖かく凛とした声が響いた。
Aが目を薄くひらくと、ダイヤの装備で身を固めた”あきらかに他の看守より強そうな”看守が、ハザスの背中に剣先を突きつけていた。
「……誰だ、あんた」
ハザスはAの顎を持っていた手を離し、両手を挙げながら、問う。
「貴様らには俺が誰だか関係ない。早く房の中から出て、彼女を解放しろ」
ハザスは話の途中で手下に目で合図して、青色の看守に殴りかかろうとした。
しかし。
「調子にのるな、囚人」
青色の看守は鮮やかな剣術で、ハザスたちをあっという間に倒してしまった。
助けてもらった……お礼をしなきゃ！
Aは座り込んでいたがお礼をしなければ、と立ち上がろうとする。
だが、思うように力が入らない。
青色の看守はそんなAの様子を見て、ふっと笑い「大丈夫か？」と声をかけた。
「だ、大丈夫です！あの、ありがとうございました！」
「気にするな、俺もさっきまでここの看守長に案内してもらっていたんだがな……まぁ、その……迷ってしまって」
適当に入った施設で騒ぎ声がしてな、様子を見に来たら君がいたんだ、と少し恥ずかしそうに笑う青色の看守の言葉に、かっこいいだけでなくかわいさも持ち合わせているなんて……と崇めつつも違和感を覚える。
「え？看守長に案内って？」
「あぁ、自己紹介がまだだったな。俺はジャンク。ここの刑務所の人数増加により房がなくなってしまったらしくてな、俺が勤務するローゼンベルク刑務所にここの刑務所の囚人を数名送ろうという話を持ちかけられて、ここに来たんだ」
「えっ？ってことはジャンクさん……もしかしてすごいお偉いさん？」
「一応、看守長をしているが……大したことはないぞ」
「……」
イケメンで、ちょっと抜けてるかわいいところもあって、しかもエリート？
神様はなんて不平等なんだろう……と自傷気味に笑うAをちらちら見ながら、ジャンクは話し続ける。
「それで……君さえ良ければローゼンベルク刑務所に来てくれないか？こんなことがあったんじゃ、君も安心してここにいられないだろう？」
ジャンクの提案はAにとっては、夢のようなものだった。勢い良く身を乗り出し「行きます！」と叫ぶとジャンクは笑った。
「ようこそ、ローゼンベルク刑務所へ」
色がなかったAに、色と生きる意味を与えてくれたのは、正義の味方だった。
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N(プロフ) - わーーー！！更新ありがとうございます！！セクハラ仕掛けようとするジャンクさんにキュンときました…！ (2019年1月9日 2時) (
レス) id: 9739c37198 (このIDを非表示/違反報告)
つかさ(プロフ) - Nさん» Nさんはジャンクさん推しなのですね……！ もっとジャンクさんと絡ませていきますね！ (2018年12月28日 22時) (レス) id: 51084a1629 (このIDを非表示/違反報告)
つかさ(プロフ) - りえるさん» りえるさんありがとうございます……！ その言葉で更新再開しようと思えました！ 頑張ります！ (2018年12月28日 22時) (レス) id: 51084a1629 (このIDを非表示/違反報告)
N - 初めまして！ジャンクさん推しなのでとっても最高なお話です！！続きが読めますように…！ (2018年12月14日 2時) (レス) id: 9739c37198 (このIDを非表示/違反報告)
りえる - めちゃくちゃ面白いです！一気に読みきってしまいました！続き楽しみにしています！ (2018年8月16日 21時) (レス) id: abbad6b46b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つかさ | 作成日時：2018年5月27日 21時
