I like × × × you're here. ページ35
「…ん」
段々と覚醒し出す意識にゆっくりと目を開くと見慣れた天井がそこにはあってここは自分の部屋なのだと理解する。倒れた前にやっていた誕生日会の事を思い出し勢い良くベッドから身体を起こすと私の足元に金髪のそいつがそこには居た。
両腕に頭を乗せすやすやと眠っている彼を見て私は一気に罪悪感が募る。ふと横の時計を見ると既に夜の19時を回っていてせっかくの主役を振り回したのだと分かりぶつけようのない申し訳なさに駆り立てられる。
「…ごめん、マイキー」
彼の髪の毛に手を伸ばしゆっくりと指を通していくと時期に彼はぱちりと目を醒まし咄嗟の出来事に髪の毛から手を引っ込められなかった私は彼の方を見つめ視線が再びかち合う。
「あ…の、マイキー…ごめん、」
「なんで？」
「せっかくの誕生日なのに台無しにして…」
申し訳なさに彼から視線を逸らしながらそう言うと彼はふっ、と微笑み私の頬に手を伸ばす。
「台無しなんかじゃねえよ。もっと早く気付けてやれなくてごめんな」
彼の優しい言葉に思わず目が潤み頬にある彼の手を自分の両手で握りしめる。止まってくれない涙に優しく笑いかけた彼は私の頭に手を乗せゆっくりと撫であげる。私は昼間よりも怠くない身体を起こし彼をそっと抱き締めると少し肩が揺れた彼も時期に私の背中に手を伸ばす。
「誕生日やり直しさせて」
「…熱は？」
「寝たから治った」
私がそう言うと彼は私の髪の毛に指を滑らせ束を一掬いするとちゅ、と軽く口付けをする。その行為に顔に熱が溜まった私は下がったはずの熱が再びぶり返したような気がして彼の甘さに揺られた。
「じゃあさ、今からバブ乗ろーぜ」
彼の瞳が私を逃がしてくれる訳もなくて逸らすことの出来ないその視線に私は静かに頷いた。私の手を引き外に連れ出していく彼の背中はこの前とは違って何処か暖かい気がしてならない。外に出た瞬間に感じる蒸し暑さも温度も君も、全てが私の心を掴んで離してくれない。
彼の愛車に乗り込み日中とは違う夜風の涼しさに目を細めた。暑いとばかり思っていた夏も夜になればこんなにも涼しいのだと知り思わず笑みが溢れる。
蒸し暑い空に嫌気が差す夏が嫌いだった。だけど、
だけど君がここに居る夏なら___
───────────────────────
2021/8.20
HappyBirthday Mikey.
終わり
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青澄＊aosumi(プロフ) - うぁぁぁぁ最後めっさ泣きました！ホント素敵な小説だと思います！これからも楽しみにしています！！！ (2021年11月29日 15時) (
レス) @page28 id: 07f147eb25 (このIDを非表示/違反報告)
澪 - 初めて小説で泣きました (2021年9月4日 1時) (レス) id: 790f68b113 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 - 凄くおもしろかったです！１パートで綺麗に終わっていて凄いと思います！レモンさんの作ったマイキーくんの小説、楽しみにしてますね！応援してます♪ (2021年8月7日 23時) (レス) id: 587626ec74 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - ユイさん» 励みになりますありがとうございます！！ (2021年8月4日 23時) (レス) id: e312b1bdb8 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(プロフ) - 好き好き好き好き！！それしか言えない。、、、 (2021年8月4日 2時) (レス) id: 40031fd2e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レモン
| 作成日時：2021年7月12日 0時
