F ページ6
『好きな人がいなくもないってどういう意味だと思う?』
「好きだけど好きかどうかはっきり自分じゃわからないってことじゃないの?」
『好きだけどわからない…』
「んー…でもその言葉だと他にも色んな気持ちが隠れてる気はするよね」
『だよね…全然わかんねーわ』
「でもさ、それってチャンスでもあるよね」
ん…?チャンス…?
渉の言ってる意味が分からなくてボーッと見つめてしまってた俺の顔がそんなに面白かったのか、ケラケラ笑いながらまたビールに口を付ける
「だってさ、完全に相手のことを好きなわけじゃないって事だよ?それならまだ奪うチャンスあるじゃん」
『奪うって…言い方悪い』
「ん?奪わないの?そのまま見てるだけ?そんなのキングじゃないでしょ」
『リアルな俺がキングなんかじゃないこと1番わかってるのは渉じゃん…』
「そうでした(笑)」
渉が言いたい事もわかる…わかるけどさ、そんな事して北山の気持ちは?
本当に俺にだけ向かう?
どこかでずっと
心の隅の方に残るんじゃ…
「奪うまでいかなくてもさ…少しくらい頑張ってみてもいいんじゃないかとは思うよ」
何も肝心なところは話してないのに、全部分かってるような言葉に、やっぱ渉には隠し事なんて無理だなって痛感する
『俺…頑張ってみてもいいのかな…』
「どうするのが正解かなんて誰にもわかんないんだったら、俺は頑張ってる太輔が見たいって思ってるよ」
『頑張り方が分からない時は…?』
「自分がされて嬉しいことを相手にしてあげる事から始めるなんてどう?」
『渉…カッコイイ…』
知ってるー!なんて可愛い笑顔で笑う渉に少しだけ勇気をもらって、その後は仕事の話だったり、狙ってる服の話だったり、あっという間に帰らなきゃいけない時間になってた
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作者名:あっぷるしゅがー | 作成日時:2018年11月29日 15時