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F ページ4

スー…ハァ…




大きく深呼吸




喉のすぐそこまで出てきてるどうしても聞きたい言葉




俺のせいで色々考えちゃったのか少し下がった眉と心配そうに揺れる瞳




そんな表情さえ俺にだけ向けられてると思うと胸が高鳴る









『渉はなにもないんだ…そうじゃなくてさ…聞き方が悪かったよね。北山は今、好きな人とか付き合ってる人はいる?』








「……あー…えっと…なんで?」









フラフラと宙を彷徨う視線に聞くんじゃなかったと思った




口にはしないけど、それはもう肯定でしかなくて、




俺が1番聞きたくなかった答えでもあって、




北山には想ってる人がいるってこと。









『困らせてごめん、ただ…気になって…聞いておきたかったんだ』








「そっか…好きな人か…いなくもない…けど…」









いなくもないって…どういう意味?




言葉が曖昧過ぎてわからない。




いつでも真っ直ぐなやつだから、好きなら好きってハッキリ言うはずだし




言葉の裏にある真実は何なのか




今の俺には全くわからない









『いなくもない…』








「んー…自分でもよくわかんねーんだわ、こんな答えでごめんな?」








『いや…こっちこそ変な事聞いてごめん、気にしないでいいから!また明日も頑張ろうな?おつかれ』









それ以上聞くのが怖くなって無理やり話を終わらせて非常階段を後にしながら思うこと




北山もこれ以上聞かれなくてホッとしてた…

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作者名:あっぷるしゅがー | 作成日時:2018年11月29日 15時

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