F ページ23
目の前で一生懸命食べ物を頬袋に詰め込むハムスターを愛でながら飲むカフェオレは最高に美味しいことを初めて知った。
いつもと同じカフェオレなのに…不思議だ。
そして、朝起きて眠い目を擦りながらも自分じゃない誰かの為に朝食を作ることがこんなに楽しくて幸せな事も初めて知った。
こんな幸せがこのままずっと続けばいいのに…なんて。
そんなこと無理なのは分かってるんだけど、このゆったりとした空気に幻だって分かってるけど北山もそう思ってくれてるような気がしてる
俺の出来る範囲でなんとか仕上げた朝食を美味しいと食べてくれる北山
こんなことなら渉に和食の美味しい作り方教えてもらっとけば良かったなー
北山は朝は卵焼きと味噌汁の方が嬉しいだろうし
そんな事を考えながらヨーグルトに入った苺を齧ってれば食事の量が少ないと心配された。
俺にとってはこれが普通なんだけど…そんなに心配そうな顔されちゃうと明日からはもう少し食べるようにしようかな…
「朝飯は大事だぞ!1日のスタートがどうなるか決まるんだからな!」
頬袋にクロワッサンを溜め込んだままなんだかドヤ顔で力説してるハムスターが可愛すぎてマグカップを持ったまま固まってしまった…
「…藤 ヶ 谷?聞いてる?」
しばらく固まってしまってたようで少し不安気に眉を下げて首を傾げてくるから無意識小悪魔は本当に困る
『聞いてる…分かってるんだけどさ…胃があんまり受け付けてくれないから(苦笑)』
俺の言葉にうーんと唸りながら考え中の様子
そうかと思えばまたクロワッサンを齧る
考えながらも食べるのはやめないんだ(笑)
そんな仕草が可愛くて小さく笑えば不思議そうに見上げられた
『いい案見つかった?』
頭を左右に振りながらまた考え始めて数分
「…今日一日考えてみるから待ってて」
だって。
俺の為に貴重な北山の時間を使ってくれるらしい…
何それ…嬉しすぎるんだけど。
思わず緩みそうになる頬に力を入れれば、何故か眉間も連動してたようで
「すぐ返事欲しかった?」
なんて的外れな心配をしてるから、また小さく笑った。
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作者名:あっぷるしゅがー | 作成日時:2018年11月29日 15時