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F ページ19

出来るだけ直視しないようにしながらゆっくりと仰向けでベッドに寝かせて、下着を足元からゆっくりと引き上げたのはいいものの…




大事な所を隠す寸前で止まってしまった…




そーっと腰の下に左腕を通して浮かせようと頑張ってみてるんだけど…酔っ払いの成人男性…重いんですけど!




腰を持ち上げるのに必死になると逸らしてた視線がどうしてもそこにいっちゃうし




視線を逸らすことに必死になると腕の力が弱まるし




もう5分以上格闘中




はぁ…本当いろんな意味で拷問だよねこれ。




何とか下着を履かせることに成功した後のスウェットはコツを掴んで楽勝だったんだけど、俺の体力はもうゼロに近くて…寧ろマイナスか?




なのにこの可愛い酔っ払いはすやすや寝てやがるし




もうなんなの?神様なんていないよきっと!




はぁ…疲れた…とりあえずシャワー浴びてこよ。




風邪引かれても困るからお腹のところだけ布団をかけてやって俺は静かに寝室のドアを閉めた




______




シャワー浴びてる間もなんでこうなったんだっけ?ってずっと考えてて




誰が悪いとか、誰のせいとかでもなくて




結局は俺が正しいと思って、自分で決めて、なのに誰かのせいにしたくって…




そうじゃないと色々とパンクしちゃいそうで




やっぱり本当の自分はこれっぽっちもキングなんかじゃないって実感して




幸せってなんだろうって…そんなとこまで考えちゃって




俺の幸せと、北山の幸せが重なり合うことがこの先あるんだろうか…って思った時に、どうしても想像出来なくて




誰かの幸せの上には、誰かの不幸せがあるのかも…




全ての人が平等に幸せならとっても素敵なことだけど、現実的ではない考え方で




誰かの幸せを奪ってまで俺は幸せになりたいって思えなくて




だけど北山を誰かに取られるのも嫌で




矛盾してるのは分かってるんだけど




これから自分がどうして行くのが正解なのか




真っ暗な宇宙に1人だけ放り込まれたみたいに出口も見えない闇に飲み込まれていった

F→←F



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作者名:あっぷるしゅがー | 作成日時:2018年11月29日 15時

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