Multicolored box

おれんじとぴんく…あか ページ3

じー……


ほら、またこっち見てる


だけど俺は何も気付かないふりをしていつも通りの2人を演じる


可愛い太輔を後ろからぎゅー


そのまま頬へ軽く口付ける


楽屋で寛いでる時も…雑誌の撮影も…ツアー中も…俺が太輔との距離を詰めると必ず感じる視線


無意識なのか何なのか…


それでも俺はやめないよ？


太輔の事は誰にも譲れない


F「 わた！わた？わぁた♡ 」

Y「 はいはい、太輔の大好きな渉さんはここですよー 」

F「 もう！何でそんな適当なの！ 」

Y「 んー？何でだろうね？ 」

F「 そんなわたもすきー♡ 」

Y「 俺も太輔すきー♡ 」


いつも通り太輔の頭をふわふわと撫でながら今もなお感じる視線を辿れば目が合った


なんて顔してんだよ


そこには眉を寄せ下唇をキュッと噛みながら何かに耐える最年長


そんなに悔しいなら話しかければいいじゃん





こんなにイチャイチャしていても俺と太輔は恋人同士ではない。


太輔にはずっと思い焦がれている相手がいるからね


太輔の俺への思いは親友以上恋人未満


それでも俺は諦めない


出来ることならいつかは俺のモノに…


いつもそう思ってる。


見てるだけじゃ相手には何も伝わらないんだ


ねえ…いつまでそうしてるつもり？


そっちが行動を起こさないなら本気で太輔貰っちゃうよ？


Y「 太輔夜家に来なよ、ご飯作ってあげる 」

F「 えっ！？いいの！？やったー♡わたのご飯♡ 」


ほら…早くしないと間に合わなくなるよ？


そんな思いも込めて未だにこちらを見つめる不安気な瞳へと視線を送れば


ふいっと視線を逸らされた


本当素直じゃないなこのおチビさんは…


Y「 太輔？みつも誘わない？今日午後からオフでしょ？ 」

F「 うぇっ！？北山も…？んー……いいよ 」

Y「 みんなで食べた方が美味しいしね。みつー？今日夜暇なら家においでー 」


離れたソファーへとちょっと声を上げれば、驚いたようにくりくりな瞳をパチパチさせてる


これが俺からの最後のお節介だから


このチャンスをみすみす逃すようなら絶対に太輔は俺のモノにするからな


そんな俺の気持ちに気付いたのか何なのか


K「 ん！行く！よこーさんのご飯食べたいって思ってた！ 」


ニコニコの笑顔で嬉しそうにこちらへ走ってくる


俺はね、何だかんだ君のことも大好きなの、
だから俺が嫌な奴になる前に幸せになってよ。


今日は大好きな2人が幸せになりますように…願いを込めてご飯を作ろう

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