Multicolored box

ぴんく ページ27

小さくて




可愛くて





ついつい手が伸びちゃって





口に入れれば





甘酸っぱく弾けて





俺を魅了してやまない






イチゴと彼はとても似ていると思う。






口付ければ甘く弾けるのに






どうしてかな









…決して俺のものにはならない。









抱き寄せて顔を寄せればその頬は赤く色づき






その瞳は期待を含んで薄い膜を張る






唇を重ねれば






少し上を向いた可愛い鼻からは





小さく甘い吐息が漏れるのに







「 ふじ…が…や……だめっ… 」








って俺の胸を押すんだ







なぁ…どうして？






どうして俺のものになってくれない？






その瞳も、その唇も、俺を求めてるのに






何が足りない？






欲しがりな君は他に何が欲しいの？






君が欲しがるものならなんでも差し出すのに






この身体も…この心も…この命でさえも…







いっそのこと全て壊して







俺なしじゃ生きられない身体にしてしまおうか







そんなことを思ってしまうほど







こんなにも君を求めてやまないのに







そうか…こんな俺を見て君は楽しんでるんだね







こんなにも愛されている自分が







こんなにも求められている自分が







可愛くて仕方ないんだろ？







それなら俺は君の為のピエロになるよ







君が望む通りのピエロにね。







君を愛してやまない…







渇いて仕方ないほど求めて求めて







それでも諦められないんだって








誰が見てもわかるくらいに君を






だから俺が上手に君の望むピエロを演じられた時







その時はもう止まらないよ…？







たとえお互いが壊れてしまったとしても…ね。

あか→←みどり

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す