Multicolored box

… ページ14

「 おー！起きたか！体調どう？おかゆ作ったけど…食えそうか？ 」

『 あ…あぁ、大丈夫…食える… 』

「 そか！よかった！よこーさんに聞いたレシピだから多分食える味だと思うよ？だからしっかり食って元気になろうな？ 」


そう嬉しそうにふにゃっと笑うとおかゆや薬、スポーツドリンク等を乗せたトレーをサイドテーブルにゆっくりと置く俺のシンメ


いやいや…何かさ…メンバーなら当たり前なんだろうけど…何これ？
こんなに普通に会話してて…なんなら当たり前のように俺の看病してるけどさ…俺たちそんな関係じゃなくね？今までの俺たちの距離感は？なんでそんな普通なんだよ？意識してんのはいつも俺だけ？


「 ん？どした？やっぱまだしんどい…？もう少し寝るか…？ 」


心配そうに眉を下げ、俺に手を伸ばしてくるこいつの手を無意識に掴んでた


「 っ！ごめ…嫌だったよな… 」


俺が手を掴んだだけで何故そう感じるのか…
あー…これが俺たちが積み上げて来た距離感か。
慌てて手を引こうとするから反対に俺が引っ張ってやった


「 え…ふじ…がや…？ 」

『 嫌じゃない 』

「 へ？ 」

『 ねぇ…なんで？ 』

「 えーっと…何が…ですか 」

『 何でいるの？お前今日仕事だったよな？何で布団の場所知ってんの？何で俺に触ろうとした？ 』

「 っ…… 」

『 ……… 』

「 だって…藤ヶ.谷が助けてって… 」

『 ん、送ったね。だけどさ…いつもならお前は来ないだろ？ 』

「 俺が来ちゃダメだった…よな？…だよな…ごめん 」

『 いや…そうじゃなくて… 』

「 勝手に体が動いたんだ…行かなきゃって… 」

『 えっ… 』

「 気付いたらよこーさんに俺が行くって連絡してて…でもお前ん家の鍵とかも無いし…看病する物の場所も分かんないし…だからマネに途中まで一緒にいてもらって… 」

『 マネは…？ 』

「 まだ仕事残ってるから帰った… 」

『 そか…ありがとな。 』

「 えっ…？ 」

『 ずっと居てくれたんだろ？色々ありがとな？ 』


何だか叱られた子どもみたいにシュンとしてしまった北山が可愛く見えて自然と手を伸ばして頭を撫でて居た


何でそんな嬉しそうな顔してんだよ


気付いたら来てたって何？


聞きたいことはまだまだ沢山あるけど、今はこの穏やかな時間がもう少し長く続けと思うから聞かないでおくわ。


その代わり俺が元気になった時は逃がさないから…

むらさき…→←ぴんくと…

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す