【歌い手】捨てられない想い３（そらる）

百九曲 *12/31↓ ページ29

そらるside



今思えば早かったと思う
今思えば奇跡だとも思う

そんな事小っ恥ずかしくて口に出して言わないけど
でも今大切な人が隣で寝ている事は本当に奇跡だと思う



『…そらるさん…？起きてたんですか？』



そらる「ん？今起きた。おはよう」



『……おはようございます』



朝が少し苦手な彼女は俺を見てふにゃりと笑う

でもその数分後きっちりした人になるのだから少し勿体ない

でもこんな顔を見れるのは俺だけだから満足だ




あの後好きだと言ってくれたAは長く涙を流していて、その姿があまりにも儚くて俺はギュッと抱きしめた
するとAはまた少し泣き出して


落ち着いた頃にはもうAは疲れ切っていて直ぐに幼馴染くんに家に送り届けてもらった

出来れば俺が行きたかったのだけれど流石に抜けることは出来なくて


次の日Aの家に訪問するとAは驚いた顔をして、頬を赤らめて、俺はその姿を見て



そらる「正式に、告白するの忘れてたから

玄関でごめん。でも早く伝えたくて」




そらる「俺と、付き合ってくれませんか？」




考えるよりも先に言葉が出たのは初めてで




『……よろしく、お願いします…っ。』




驚きながら、でもまた泣きそうになりながら返事をくれた




それが一ヶ月前の出来事で


でもそんな事を毎日思い出している俺は重症だ

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