おさかなたべたいよ〜[気象NO] (ページ4)

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｢えぇ！？！？智くんがネコ？！？！？！｣

困ったおれは、おれの知り合いの中でいちばん賢く、智のことをよく知ってる人に連絡をしてみた。

高校からの友達の翔さん。智とは幼なじみ。
なんというか、脳みそを感性に全振りした智が無事に高校に通えて、そのあと無事に卒業でき、さらに筆記試験もある美大へ通えたのはひとえにこの秀才が智の2ヶ月後に生まれ、同じ幼稚園に通い、｢ドキン！♡｣て当時の智に一目惚れしたからだ。

｢ネネネネネネネネネコって智くんがネコってそれって猫って｢にゃん｣とかいうの？！？！え！！ｶﾜｲｲ！！超見てぇ！！すぐ行く！！すぐ向か｣
｢あ、いえ、結構です｣

ブチッと容赦のない音を立てて電話を切る。
｢何言ってるかわかんないと思うんですけど、大野さんが猫になっちゃって｣って言った瞬間これだ。

少しあどけなくて、ほっとけない、ほわほわとしたわたあめのような智のことを、翔さんはずっと大事にしてきた。

高校から2人に出会ったおれは、
ふたりの関係が羨ましかったんだ。
まあ翔さんはその時から気持ち悪かったけど。

智は、自分の世話を焼く翔さんのことを許容して受け入れていて、翔さんは受け入れられてることに安堵してる。

ふたりで放課後、教室に残って、智のテスト勉強に付き合ってる翔さんの幸せそうな表情を、顔の次に視力が良かったおれはグラウンドからバッチリ見てたんだ。
おかげでよくよそ見するなって監督に怒られていた。
まあ、それも高1の間だけだったけど。