おさかなたべたいよ〜[気象NO] (ページ23)

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団体行動が苦手なようです。と、毎年はっきり書かれた成績表のとおり、おれは会社に勤めるということが全く出来なくて。
や、就職活動の時点で出来なかったから、勤めるということはニノの話を聞いての想像でしかないんだけど、毎朝決まった時間に出勤して、パソコンに向かってデスクワーク。

考えただけで足がムズムズする。
んああってなる。

でもニノは、そういう仕事のやり方があってるって言う。

｢おれはね、仕事って思わないとダメなんだよね｣

ニノがそう笑う。
仕事の自分と、そうじゃない自分を切り分けないと、生きてけないという。

｢あんたみたいに、好きなことを生業にしてる人を尊敬するよ｣

頬を撫でられる。
ニノが撫でてくれる指が好き。

ぷにっとやらかい指と手。

おれが猫になっても、ニノは優しく撫でてくれた。

その感触を思い出しながら、心地いい微睡みに身を任せて、二度寝する。

カタン…て、郵便ポストが開く音がした。
パチッて目が覚める。

｢…………？｣

視界がへん。色がないしぼやけてる。
ブーーーンッて冷蔵庫かな、機械音が気持ち悪い。

うーん、てしばらくぼんやりして、思い出す。

これ、猫だ。