おさかなたべたいよ〜[気象NO] (ページ18)

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｢うん、じゃあね。…ニノ、ニノ代わる？｣

｢あ、うん。…や、まって、智。スリッパ履いてって｣

｢あ、｣

おれは素足のままでキッチンを歩いて欲しくない。
なのに智はスリッパを履くことが出来ない。

ぺたぺた素足のままこっちに近づいてくるのを咎めると、咎められたその場で立ち止まって精一杯腕を伸ばしてスマホを渡そうとするからかわいい。

にやけたままスマホを受け取りにこっちから近づいて、耳に当てる。

｢ごめんね、大野さん、いつもこの時間になんて起きないのに｣

『え〜全然？俺的には智くんとお話出来て朝からハッピーなんだけど』

ケトルが沸いたから、コーヒーにゆっくりお湯を注いで、蒸らす。

『…智くんは、たしかに不思議だけど、
智くんほど、素直な人を俺は知らない』

｢…ん｣

『潤も言ってたけど、智くんが猫になってしまったことが、智くんがニノを否定してる理由にはならないと、俺も思うよ』

マグカップの破片をみつめる智を思い出す。

『ニノ、あんまり考えすぎないでいいと思うよ。本人が、自分もマタタビに酔うのかなとか考えてるくらいなんだから』

きっと、不安なのは。
おれはもう智がいないとダメになっちゃうからだ。

ダメになっちゃうって思ったから、高校卒業して自然消滅するように少しずつ距離をとったのに。

｢うん。ありがとう｣

『次猫になった時は呼べよな！あ、あと！雅紀にも連絡してやれよ』

案外あいつが一番適任かもよ、なんて相葉さんにも甘い翔さんは笑い声を残して電話を切った。