おさかなたべたいよ〜[気象NO] (ページ14)

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結局パン屋は売り切れてしまっていて、ふんふんと智はパン屋の外観だけ見て満足そうだった。

おれは、漆自体もよく分かってなかったから、金継ぎは、金色の粘土みたいなもんをペタペタ貼るんだと思ってたんだけど、そうじゃなくて、
液体の漆を断面に塗って、欠けてしまったところは木屎漆(こくそうるし)っていうペースト状の漆を塗って、破片を組み合わせたあと、最後に金粉をまぶすらしい。

｢こくそうるしって、商品はないよ｣

｢うん。漆を混ぜて自分で作るの。小麦粉でもできるよ。簡易だけど｣

だから、天然漆ではなくて、漆風塗料を使うらしいのだ。
その、｢だから｣の繋がりはよくわからない。

｢なんでそんなこと知ってんの？｣

｢漆工芸専攻の友達に教えてもらった｣

｢ふぅん｣

おれは、大学に行ってないし、正直芸術も分からない。

おれが智と対等に話せられたらどれだけいいんだろうって、こういう時思う。