おさかなたべたいよ〜[気象NO] (ページ11)

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｢ふぅん｣

智の、とめどない言葉に相槌をうつ潤くん。

おれは潤くんにだけ合鍵を渡してる。
おれがどうにかなったとき、智だけでは絶対生きていけない。
潤くんが、おれたちのなかで私生活がしっかりしてる。

すといっくだけど。
おれみたいに甘やかさない生活で苦しめばいいのに、とかもちょっと思ってる。
おれを、恋しくなればいいのにって。

こういう相談を、潤くんは全部飲み込んで受け取ってくれる。
んな縁起悪いこと言うんじゃねぇよ、とか、そんな余計な事を言わずに。

｢まあ、とりあえず俺はお暇しようかな｣

潤くんはある意味ドライで、一線を引いてる。
でも、すごく情っぽくて気遣いが繊細だ。

｢えっ帰っちゃうの？｣

｢うん。なんかイチャイチャの気配がした｣
俺、2人がイチャついてるのみるの、結構ツライ。

潤くんがそそくさと帰る準備を始めるから、玄関まで見送る。

｢ありがとう。ごめんね｣

｢いや…智が不思議なのは今に始まったことじゃねぇよ｣

メガネと帽子を被って、おれに笑いかける。

｢まあ…そうか……｣

思わず頭を抱える。
おれはなんて人を好きになってしまったんだろう。気が重い。