印 ページ33
そっとキスをすると、司咲はつばさの涙を指で拭った。
「…泣かないで」
「…泣いてなんか…」
ぎゅっと抱きしめられた。その腕が震えていた。
「…愛している」
髪に触れた手が優しくて、司咲まで涙が滲んできた。つばさの背中に腕を回すと、はらはらと涙を流した。
「…どうして司咲が泣くの?」
「だって、私がつばさくんを…傷つけた、から…」
「傷ついてなんて…」
「嘘よ。傷ついている。私がつばさくんのこと嫌いって言った時と同じ顔してる」
「……バカ。…かっこ悪いな、俺」
きっと、つばさが司咲に敵うことはない。それくらい、つばさは司咲のことが好きで好きで仕方がない。
「かっこ悪くなんてないわよ。つばさくんは、私の彼氏は最高にかっこいいの!」
ぎゅっと強く背中の服を掴まれて、更に泣いた。
「つばさくん、大好き!」
そっとキスをすると、頭につばさの手が触れた。しっかりと頭を押さえると、頬を撫でられた。その指先から司咲を愛しているのだと伝わってきて、恥ずかしくなった。顎を優しく撫でられて、キスの角度を変えられた。唇を吸うと唇を離した。
恥ずかしくて俯く司咲の顎を指で掬うと、つばさは微笑んだ。
「かわいい」
唇で涙を拭うように瞼にキスを落とした彼の手を掴んだ。服の上から胸に触らせた司咲はつばさを見上げた。
「…お願い。触れて。つばさくんのものだって証がほしい。……消えちゃったから」
左の鎖骨の辺りを触る司咲の両の手首を掴んだ。
「いいの?今日は優しくできる自信ないけど」
こく、と頷いた司咲を見てつばさは彼女の腕を首に回させて抱き上げた。ベッドに下ろされて、キスをした。舌を絡める、濃厚なキス。キスをしながらつばさは司咲の服のボタンを外した。
「愛している」
そう囁くと、司咲の頬が嬉しそうに上がった。
服を全て取り払うと、つばさは身体中にキスを落とした。胸に手が触れて、ゆっくり撫でられた。
「あ…、つばさくん」
甘い声で名前を呼ぶと、つばさにキスをされた。そして、鎖骨に唇を押し付けると、肌を吸った。
「本当、かわいい」
胸、肩、腹に印をつけると、つばさは微笑んだ。
「好き」
「…わ、私も好き」
ふたつの影がゆっくりと重なって、ただただ幸せだった。
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作者名:星ノ宮昴 | 作成日時:2022年3月16日 12時