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そっとキスをすると、司咲はつばさの涙を指で拭った。

「…泣かないで」

「…泣いてなんか…」

ぎゅっと抱きしめられた。その腕が震えていた。

「…愛している」

髪に触れた手が優しくて、司咲まで涙が滲んできた。つばさの背中に腕を回すと、はらはらと涙を流した。

「…どうして司咲が泣くの?」

「だって、私がつばさくんを…傷つけた、から…」

「傷ついてなんて…」

「嘘よ。傷ついている。私がつばさくんのこと嫌いって言った時と同じ顔してる」

「……バカ。…かっこ悪いな、俺」

きっと、つばさが司咲に敵うことはない。それくらい、つばさは司咲のことが好きで好きで仕方がない。

「かっこ悪くなんてないわよ。つばさくんは、私の彼氏は最高にかっこいいの!」

ぎゅっと強く背中の服を掴まれて、更に泣いた。

「つばさくん、大好き!」

そっとキスをすると、頭につばさの手が触れた。しっかりと頭を押さえると、頬を撫でられた。その指先から司咲を愛しているのだと伝わってきて、恥ずかしくなった。顎を優しく撫でられて、キスの角度を変えられた。唇を吸うと唇を離した。

恥ずかしくて俯く司咲の顎を指で掬うと、つばさは微笑んだ。

「かわいい」

唇で涙を拭うように瞼にキスを落とした彼の手を掴んだ。服の上から胸に触らせた司咲はつばさを見上げた。

「…お願い。触れて。つばさくんのものだって証がほしい。……消えちゃったから」

左の鎖骨の辺りを触る司咲の両の手首を掴んだ。

「いいの?今日は優しくできる自信ないけど」

こく、と頷いた司咲を見てつばさは彼女の腕を首に回させて抱き上げた。ベッドに下ろされて、キスをした。舌を絡める、濃厚なキス。キスをしながらつばさは司咲の服のボタンを外した。

「愛している」

そう囁くと、司咲の頬が嬉しそうに上がった。

服を全て取り払うと、つばさは身体中にキスを落とした。胸に手が触れて、ゆっくり撫でられた。

「あ…、つばさくん」

甘い声で名前を呼ぶと、つばさにキスをされた。そして、鎖骨に唇を押し付けると、肌を吸った。

「本当、かわいい」

胸、肩、腹に印をつけると、つばさは微笑んだ。

「好き」

「…わ、私も好き」

ふたつの影がゆっくりと重なって、ただただ幸せだった。

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作者名:星ノ宮昴 | 作成日時:2022年3月16日 12時

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