寝てた ページ27
ソファの上、いつの間にか寝てしまった司咲の頭を膝の上に乗せて、早3時間。
朝ごはんを食べたり、家事をしたりしてずっと動いていたが、落ち着くとすぐにつばさの肩にもたれて眠ってしまった。ストレスを抱えていたりと、ずっと落ち着かなかったのだろう。少し寝かせてあげたくて、肩を支えて頭を膝に乗せた。足をソファの上に上げて、近くにあったブランケットを引き寄せると、起こさないようにかけてあげた。
つばさは3時間、ずっとスマホをいじったり、司咲の寝顔を撮影したり、頬や髪を撫でたり、台本を読んだりしていた。お腹の上に置かれた手を繋いだ。硬い指輪がはめられた指を親指で撫でていると、司咲の喉から声が漏れた。ゆっくりと持ち上がった瞼。パチパチと瞬きをする司咲につばさは笑いかけた。
「おはよう」
「……おはよう…。あれ、私…」
起きようとする司咲の肩を制して、つばさは繋いだ手の指を絡めて握った。
「司咲。愛してるよ」
頬に手を添えると、じわじわと赤くなっていく。
「かわいい。キスしていい?」
「……聞かないで」
真っ赤な頬を撫でると、つばさは司咲を抱き起こして唇にそっと口付けた。つばさの頬に司咲の手が触れた。それが嬉しくて角度を変えて口付けると、司咲の体を支える腕が重たくなった。彼女の顔を覗き込むと、また眠っていた。主に気疲れからくる疲労が溜まっていたのだろう。
司咲を抱き上げて、つばさはリビングを出て寝室のベッドの上に寝かせると、頬にキスを落として髪を撫でた。布団をかけると、つばさは部屋を後にした。
カーテンの外、空は曇っていて雪が降り始めていた。今日は外でのデートはできないだろうし、ちょうどいいかも、なんて笑った。
目が覚めた。ベッドの上で寝ていることに気がついて、起き上がった。
「……あれ?」
ベッドに潜った記憶はない。つばさとキスをしたところまでは覚えているが、その後の記憶はない。
司咲は立ち上がると、リビングへのドアを開けた。ソファに座っていたつばさと目が合った。
「目、覚めた?」
こくんと頷くと、司咲はつばさに近付くとその体に抱きついた。抱きしめ返されて、司咲は嬉しくて微笑んだ。
「好き」
「俺も好き」
つばさは司咲を膝に乗せると、ぎゅぅっと抱きしめた。
「ごめんなさい。私…めっちゃ寝てた」
「疲れていたんだよ」
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作者名:星ノ宮昴 | 作成日時:2022年3月16日 12時