お風呂 ページ13
ネックレスもペアリングもつばさに奢られた。出すと言ってもつばさは首を横に振った。日もだいぶ傾いてきて、司咲の家へ向かった。玄関に入ってドアを閉めると、靴を脱ぐ司咲を抱きしめた。
「きゃっ」
びっくりして声を上げる司咲を後ろからぎゅっと抱きしめて、耳元に口を寄せた。
「キスしたい」
真っ赤になった頬に口付けをすると、司咲は腕を解いてつばさを振り返った。
「手洗いうがいしてからね」
ドアの鍵を閉めて司咲は奥へと向かう。そんな彼女を追いかけて、つばさも部屋に入った。
手洗いうがいをして、リビングに向かうと司咲はつばさに抱きついた。
「ありがとう。楽しかった！」
「俺も、司咲と出かけられて楽しかったよ」
抱きしめ返して、微笑んだ。つばさは座布団の上、好きな人を腕の中に抱いたままキスをした。目を閉じた司咲の頭に手を添えて唇を開くと、彼女の下唇を挟んだ。
「恥ずかしい」
真っ赤な頬がかわいくて、つばさはそんな彼女の頬に口付けた。顔を上げた司咲の唇にキスをして、優しく舌を入れた。お互いの舌が絡まって、息が上がっていく。唇が離れると、司咲はつばさの首に腕を回して抱きついた。
「かわいい」
つばさは司咲の腰を抱きしめた。
「今日泊まってもいい？」
こくりと頷いた司咲は真っ赤な顔をつばさの肩に埋めていた。羞恥で震える腕を緩めて、司咲は肩に手を置くとつばさの唇にキスをした。
「…私もキスしたかった」
つばさの両の頬に手を添えて、唇を重ねた。求め合うようなキスを交わして、床に倒れ込んだ。
「お風呂入ろう？」
彼女の言葉につばさは頷いた。司咲は立ち上がってお風呂を沸かしに行くと、空き時間に布団を敷いてバスタオルを用意した。
「一緒に入ろう」
抱きしめながらそう言うと、司咲は驚いたような顔をした。
「昨夜、脱いでいるんだから、今更恥ずかしがることではないでしょ」
「それとこれとは違う！は、恥ずかしいから…」
「ダメ？」
その声には弱くて、司咲は首を思わず横に振ってしまった。
狭い浴槽の中、後ろから抱きしめられて司咲は俯いた。ただ恥ずかしい。きっと今夜はそういう流れになってしまう。そう想像して、余計に恥ずかしい。彼の唇が何度も首筋や肩に触れている。赤い顔で振り向くと、唇にキスをされた。
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作者名：星ノ宮昴 | 作成日時：2022年3月16日 12時
