”音”のない少年と猫少年弐【夜久衛輔】【男主】

音12~導く ページ8

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貴「＿＿教えてよ。」

何を、教えるんだよ。

Aはさ、今、

いったい何に悩んでんの?

過去のこと?

”プレー”のこと?

チームのこと?

それともやっぱり、

”自分の存在”のこと?

『何をさ?ねぇ、A』

貴「……えっ、英?

何でここにいんの?」

Aを探してた。

なんて、言えない。

だから、俺は、こういう。

『ちょっとね。』

そう、俺が言うと、Aは、

驚いていた顔を、いつもの、”あの顔”

に戻していう。

貴「ふーん。…ちょっと気になるけど

まぁ、いいや。」

よくあったやり取りだから、

慣れてる。

『あっ、

そうだ、花巻さんが久しぶりに、

Aと、バレーやりたいって。

第三体育館で待ってるって。

行ってきたら。

そしたら、答え見つかるかもよ。』

Aが思っていることくらいわかるよ。

でもそれは、

兄弟だから。とか、幼馴染みだから。とか、

そういうのじゃない。

自然と、あったときから、分かっている感じ。

貴「……(ｺｸｯ英、いってくる。」

『……答え、

見つかるといいね。』

?「国見ちゃん、どうしたの?」

『ゲッ……何ですか?及川さん。』

及「いやー、たまたま通りかかったら、

見たことない可愛い子と、

おしゃべりしてるからさー。

ていうか、国見ちゃん、モテるんだねぇー。」

うわ。

Aかわいそう。

残念な人に、女子って間違えられて…。

花巻さんに後で言っておこうか。

『及川さん、それ本当に言ってますか?』

及「?……うん。そうだけど?」

『これはもうダメですね。

岩泉さんか、花巻さんに言っておきますね。』

及「うん。じゃあね、国見ちゃん。」

あの人、本当に分かってんのかな?

まぁ、いいや。

めんどくさいし。

『………塩キャラメル………』

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